同世代の一流プレー間近に、五輪卓球に出場する伊藤美誠選手が来市/陸前高田(別写真あり)

▲ 中3にして五輪出場も決まっている伊藤選手が、間近でプレーを見せた=米崎町

 弱冠15歳にして現在、卓球の世界ランク11位、来年のリオデジャネイロ五輪出場も確定している伊藤美誠(みま)選手(スターツSC・大阪/昇陽中)が19日、陸前高田市立高田東中学校を訪れ、練習を公開した。この日は同市と大船渡市の中学生たち来場し、同世代ながら世界のトップレベルで戦う伊藤選手の妙技を見て、練習への意欲を新たにした。

見学した中学生らが伊藤選手を囲んで記念撮影=同

見学した中学生らが伊藤選手を囲んで記念撮影=同

 平成20、22、23年に全日本卓球選手権大会で優勝するなど、幼いころから頭角を現していた伊藤選手。今春に中国で開催された世界卓球2015蘇州大会ではシングルスでベスト8入りし、日本史上最年少記録を更新した。さらに15歳でのオリンピック出場決定は、アテネ五輪代表の福原愛選手と並ぶ最年少記録となる。
 伊藤選手は小学5年生だった23年10月、東日本大震災で大きな被害を受けた同市を訪問。米崎町の卓球会館で地元選手たちと交流した。今回は、20日に奥州市で行われた「希望郷いわて国体」関連行事への出席のため来岩し、本人たっての希望で4年2カ月ぶりに陸前高田を再訪した。
 この日は調整も兼ねて練習の様子を公開。高田東中、高田一中、大船渡中、大船渡一中、越喜来中の卓球部員や卓球会館へ通う小学生らおよそ50人が見学した。練習相手は、米崎出身で日本卓球㈱社員の吉田広平さん(27)と、高田高校卓球部で全国大会での優勝経験もある村上奨記さん(3年)が務めた。
 小柄な伊藤選手だが、2人の男性プレーヤーが相手でも気迫のラリー。練習といえど自分の失敗や納得のいかないプレーにはくやしそうな表情を見せ、「こんなふうに打ってきてほしい」と要望をどんどん口にするなど、一流選手の貫禄(かんろく)を示した。
 高田東中卓球部キャプテンの木川田直輝君(2年)は、「ドライブにキレがあり、相手がイヤだと思う厳しいコースを的確に選んでいてすごい。練習の仕方も自分で考えて工夫している。自分はフォームが悪いので、一つ一つの細かい動きがきれいなところを見習いたいと思った」と刺激を受けた様子。
 自らもずっと卓球を続けてきた吉田さんは、「普段なら生で見ることができないような強い選手。中学生らにも技術の高さや卓球の難しさを感じてもらい、『ああいう選手になりたい』と目標に思ってほしい」と地元の後輩へエールを送っていた。