最終活動報告会で行政、市民と意見交わす、子どもまちづくりクラブ/陸前高田
平成27年12月15日付 7面

子ども支援専門の国際NGO・セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(本部東京都、深田宏理事長)が東日本大震災復興支援事業の一環として立ち上げて支援してきた「陸前高田市子どもまちづくりクラブ・絆~Save the hope TAKATA」(通称・絆クラブ)の最終活動報告会が13日、市役所で開かれた。絆クラブは今月をもって活動終了となる。参加した子どもたちはこれまでの活動を振り返りながら、今後のまちづくりに対して行政や市民らと意見を交換し合った。
復興へ視点反映を
子どもまちづくりクラブは、東日本大震災後にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが陸前高田市、山田町、宮城県石巻市の3地域で立ち上げたもの。これまで地域の復興に向けたさまざまな活動を行うとともに、復興や防災に子どもたちの視点を反映させるための働きかけも行ってきた。
このうち絆クラブでは、震災を風化させないために写真を通して高田の今を発信する「進め!高田っ子!まちづくりフォト」や、高田大隅つどいの丘商店街でのモニュメント製作、再建予定の新しい図書館について子どもの声を届ける活動などを展開した。
今年8月にはクラブメンバーをはじめとする岩手・宮城・福島の子どもたちが復興庁に提言書を提出。10月にはその提言内容を絆クラブで陸前高田市向けに掘り下げて▽学校でも復興について学ぶ場がほしい▽子どもと大人が対等に話せる場がほしい──と取りまとめて市に提出した。
この日の最終活動報告会には、クラブメンバーの子どもたちや行政、地域住民ら合わせて約50人が出席。
クラブ活動の紹介、メンバーによるパネルディスカッション、市に提出した提言書発表に引き続き、グループに分かれて提言書の内容を実現するための意見交換が行われた。
このなかで、「学校でも復興について学びたい」「発信する機会が大切」などといった意見も出され、子どもと大人が今後のまちづくりへ向けて真剣に話し合った。
活動を終え、クラブメンバーの大坂あゆみさん(第一中3年)は「今までやってきた活動を見ていただけて、みんな協力して頑張っていこうという気持ちを持っているのが分かった。子どもが行政にかかわるということは一般的ではないけど大事なことだと思った」と、今後のまちづくりへ高い関心をみせていた。
及川瑞揮君(横田中3年)は「まちづくりクラブには途中からの参加だったけど、行政の人たちも子どもの声を聞こうとしてくれていたので、充実した活動だった。話すのが得意ではなかったけど、この活動を通して自分の意見を言えるようになった」と自身の成長を感じていた。