3年修了者5人に「認定書」、目指せ!森の達人講座/住田町(別写真あり)

 住田町の平成27年度「目指せ!森の達人(マイスター)講座」は5日、町役場で第10回学習会と閉講式を行った。3年目となった本年度の閉講式では8回以上出席した受講生20人に修了証を授与。さらに今回は、初年度から3年間修了証を受けた5人を〝森の達人〟として初めて認定。5人は住田の自然からさまざまな学びを深めた成果を振り返り、28年度の学習に意欲を見せていた。

 

第10回学習会と閉講式

学び深め〝マイスター〟に

 

 この講座は、一般を対象に自然の素晴らしさを楽しみながら学んでもらおうと、25年度に開設。27年度は昨年5月に開講し、世田米の種山ヶ原森林公園をメーン会場に、専門家から野鳥や動植物、星座、サバイバル術などを学習。毎回町内外から30人前後が受講し、自然への理解を深めた。

 本年度最終回となったこの日は「森林(もり)の科学館構想編」をテーマに、28人が受講。講師は前住田町長の菅野剛氏が務めた。

 菅野氏は、住田と種山との深いかかわりや歴史を踏まえながら、町による「森林の科学館構想」について解説。森林の科学館は種山そのものを科学館として、自然科学はもちろん、経済、産業、精神文化を含む自然との共生、協働をテーマにしている。

 森林自体が科学館ではあるものの、菅野氏は館(やかた)としての研修施設、森林経営の長期的な配慮なども必要と言及。多彩な分野の専門家が携わっていることにも触れ、「森林、林業だけではなく、多面的な目的のためにこの構想が作られた」とした。さらに、「住民で話し合いをしながら、よりよいまちづくり、森づくりを」とアドバイスを送った。

27年度最終回の講座は菅野氏㊨を講師に招いて展開

27年度最終回の講座は菅野氏㊨を講師に招いて展開

 講義後は閉講式が行われ、27年度全10回の講座と10月に実施した栗木鉄山跡見学会のうち、8回出席した受講生に修了証を授与。菊池宏教育長から修了生代表の菊池健一さん(住田町)に手渡された。

 また、今回初となる森の達人認定証を、越山晶子さん(大船渡市)、鈴木英司さん、松田キヨ子さん、吉田洋一さん、佐々木喜之さん(住田町)に贈呈。5人はいずれも、すみた森の案内人として活動を行っている。

 認定証を受け、鈴木さん(66)は「好きで講座に通っていたので、まさか認定証までもらえるとは思ってもいなかった。いろんな人の話を聞くのも大事だと思うし、自分の楽しみのために参加しているだけ。これからも種山のいいところを見て、自然に親しんでいければ」と話していた。

 同講座は28年度も開設する計画。今後も3年修了証を得た受講生を、森の達人として認定していく。