通算16回目の頂点に、全国木工工作コンで世田米中/住田町

▲ 全国木工工作コンで農林水産大臣賞とNHK会長賞を受賞した特設木工部=世田米中

 第40回全国児童・生徒木工工作コンクール(日本木材青壮年団体連合会主催)の審査結果がこのほどまとまり、住田町立世田米中学校(松高正俊校長)の特設木工部(千葉雄太部長)による「古民家 南部曲家」が中学校の部最高賞の農林水産大臣賞を、「銀河鉄道の夜」が3位相当のNHK会長賞を受賞した。平成24年度の文部科学大臣賞を含む通算16回目の全国頂点に、部員らは喜んでいる。

 

「南部曲家」農水大臣賞

「銀河鉄道の夜」は3位に

 

 昭和62年以降、毎年コンクールに出品を続ける特設木工部。平成27年度は、3年生8人が主任用務員の村上淳さん、特別講師である前校長の内海行英さんから指導を受けて2作品を作った。県大会では「銀河鉄道の夜」が県知事賞、「古民家 南部曲家」が県木材産業協同組合理事長賞を獲得し、全国大会に進出した。

 全国大会では、各地区から厳選された91点が出品。審査の結果、「古民家 南部曲家」が同校としては2年ぶり15回目の農林水産大臣賞に、「銀河鉄道の夜」はNHK会長賞に輝いた。

160313-6全国木工工作コンで入賞作品2d(トリミングを)

入賞作品の「古民家 南部曲家」㊧と「銀河鉄道の夜」(昨年12月撮影)

 「古民家 南部曲家」は泉明日香さん、菅野陽奈さん、菊池あかりさん、熊谷優希さんが担当。収穫の秋を迎えた古民家と水車小屋の佇まいを、実際の建築構造に基づきながら緻密な技で再現した。

 リーダーの熊谷さんは「県大会から全国でも優勝できると思っていたので、とてもうれしかった。一つひとつのパーツが小さかったので、細かく作るのが大変だったが、昔ながらの家を細かく再現できたところが評価されたと思う」と笑顔を見せた。

 「銀河鉄道の夜」は千葉部長、菊池貴大君、千葉範君、村上瑞季さんが制作。岩手出身の作家・宮沢賢治の作品や町内を走るSL銀河から着想を得、工夫を凝らしながら幻想的な世界を表現した。

 千葉部長は「本当は1位を取りたかったが、3位でもとてもうれしい。石垣の橋を作るのに、木の皮をちょうどいい大きさに切って貼るのが難しかった」と振り返り、「2作品が全国でも上位を取れてうれしい。後輩たちには、今後も全国に出品できる作品を作ってほしい」と後進への期待も込めた。

 表彰式は6月に福井県で予定。部員らは卒業するが、「式にはみんなで出席を」と話している。