「まちづくり応援」浸透を、新ふるさと納税制度/住田町

▲ ふるさと納税を利用して贈られた寄付金は町の森林環境教育にも活用(写真は資料)

返礼品も種類を追加

 

 住田町が昨年10月、新ふるさと納税制度「住田町まちづくり応援寄付」と、寄付者に町の特産物を贈る返礼品発送事業を開始して半年が経過した。新制度では、寄付金の使途を各種まちづくりに拡大し、住民団体活動に直接活用する部門も開設。スタートから3月末までの総額は2279万円で、3月には2回目の返礼品も発送した。平成28年度は返礼品の種類も追加し、制度のPRと寄付への呼びかけを通じて一層の浸透を図っていく。

 ふるさと納税は、出身地といった特定の自治体に寄付する制度。町は20年に「住田町森林・林業日本一の町づくり寄附条例」を制定し、森林・林業を通じたまちづくりなどに活用してきた。

 一方で、ほかの分野にも支援したいとの声もあったことから、昨年10月に寄付金の使途を幅広いまちづくり事業に拡大。「町まちづくり応援寄附条例」として施行した。

 この条例では、①森林・林業日本一の町づくり②子育て・福祉・医療の充実③教育・文化・スポーツの振興④住民活動団体の支援⑤そのほかのまちづくり──の5分野を設定。支援したい分野への寄付ができる。

 ④は町内に主たる事務所を置いて活動し、支援を希望する団体へ直接寄付が可能(うち5%分は町による団体支援等事業に活用)。3月末現在、▽五葉山火縄銃鉄砲隊伝承会▽SUMITAチェンソーアート杣遊会(そまゆうかい)▽ねんぷにやっぺしの会▽Sumita音楽サークル「音蔵」▽一般社団法人SUMICA▽一般財団法人地域人材支援財団──の6団体が手を挙げている。

 町によると、新制度施行から半年間の寄付は合計で延べ34人、2279万円。金額の内訳は、①が62万5000円、②が41万5000円、③が37万円、④が2104万5000円、⑤が33万5000円。施行前も含む27年度の寄付金総額は、延べ39人2395万円となった。

 町では「使途の名目が増え、1分野だけではなく複数に分けて寄付する人が前以上に増えた。寄付する側も使い方がイメージしやすくなったのでは」と分析する。

 返礼品事業は、①~③と⑤への寄付に対し、1口(1万円)以上から希望する寄付者に町産品を贈るもの。1口につき、町産米「敦盛ゴールド」5㌔、梅干しや住田にんにくチキンカレーなどを詰め合わせた「特産品セット」のどちらか1点を選べる。5口以上は5点で、複数の場合は2種類から自由な組み合わせを希望できる。

 3月分の発送は、昨年11月から今年2月末までの寄付が該当。期間中は11人が48万円を寄付し、全員が返礼品を希望した。内訳は5口が6人、3口が1人、2口が1人、1口が3人で、米が21点、特産品セットは17点申し込みがあった。

 7月予定の次回発送分からは、「住田町産鶏ハラミセット」と「ケセンロックフェスティバル(KRF)会場駐車券付きペア入場無料招待券」の2種類を追加。

 鶏ハラミは鶏の希少な筋肉部位で、歯ごたえがあるのが特徴。ねぎ塩味やみそ味などの数種類をセットにして贈る。

 KRFは7月16(土)17(日)の両日、種山ヶ原イベント広場で開かれる音楽イベント。招待券は初日、2日目の各日2組の限定で先着順としており、17日分はすでに受け付けを締め切った。

 寄付の受け付け、返礼品の発送は町で受け付け。返礼品の詳細はインターネットサイトの「ふるさとチョイス」(http://www.furusato-tax.jp/)でも紹介している。