雨の種山 魅力再発見、花と緑の観賞会/住田町(別写真あり)

▲ ネコノメソウの群生地などを巡りながら散策=種山ヶ原森林公園

森の案内人と散策

 

 住田町による「花と緑の観賞会」は1日、種山ヶ原森林公園で開かれた。気温が上がらず、降雨に見舞われる中での開催となったが、町内外からの参加者は可憐に佇む山野草などに心をなごませながら散策。案内人らとの歓談も楽しんでいた。

 地元の自然ガイド・すみた森の案内人の会(吉田洋一代表)が主体となって毎年開催。自然の魅力再発見や、植物や樹木への理解促進などを目的としている。

 気仙内外から43人が参加。遊林ランド種山を出発し、カタクリの径などを通り水辺の広場に到着。さらに木道やカタクリの広場などを巡る約2時間の散策を楽しんだ。

 山道沿いに生息するカタクリは寒さのため花がしぼんだままの状態が多かったが、可憐なニリンソウやアズマイチゲなどが歓迎。小川では花を咲かせ始めたクリンソウの姿もあり、霧がたちこめる中で映える草花をじっくりと楽しんだ。

 また、ネコノメソウの群生地では、多くの参加者が足を止め、写真に収めながらじっくりと観賞。案内人から名前の由来や生息の特徴などについて説明を受けた。

 この日は親子連れや岩手大生をはじめ、幅広い世代が種山の自然を満喫。傾斜が緩やかな山道を歩きながら会話を弾ませ、自然を愛する人々同士で交流を深めた。

 案内人の会事務局長の佐々木慶逸さん(60)は「雨も自然の一部。晴れていれば花ばかりに目がいきがちだが、きょうは草木にも向いたのでは」と笑顔。

 大船渡市盛町から参加した小松紀久代さん(75)は「春は青々とした中に可憐な花が咲いているのがいいですね。みんなでしゃべりながら回るのも、観賞会の楽しさ」と話していた。