被害未然防止へ真剣、五葉地区で土砂災害避難訓練/住田町

▲ 各避難場所に集まった人数などを確認=住田町

 住田町上有住の五葉地区で5日、町による土砂災害防止避難訓練が行われた。住民は避難勧告の発令を受けて地区内各地に集合し、安否把握などの流れを確認。大雨が予想される梅雨や台風シーズンの到来を前に、防災意識の高揚を図った。
 訓練は、土砂災害に備える住民避難強化などが目的。昨年は隔年開催となっている総合防災訓練の中に盛り込まれ、今回初めて単独での訓練として行われた。
 町は今年2月、ハザードマップを各家庭に配布。事前に各自宅周辺が土砂災害想定区域や浸水想定区域に該当しているかなどを確認するよう呼びかけた。
 「長時間の降雨で土砂災害の予兆があり、災害の危険性が増大。一部の電柱が崩れ、固定電話・携帯電話が不通の状態となっている」との想定で実施。午前7時30分に、役場に設置された町災害対策本部から五葉地区公民館に地区本部設置の依頼連絡があった。
 10分後、防災無線で避難勧告を発令。住民は同館と寒倉自治公民館、羅象館、大祝バス停留所付近、大洞自治公民館にそれぞれ集まった。
 五葉地区公民館には徒歩や車などで住民が続々と参集。家族や近隣住民同士で声をかけあいながら訪れた光景が目立ったほか、集計を待つ間は各地に設置されている防災無線の聞こえやすさなどについて情報交換する姿も見られた。
勧告から20分後の8時までには、同館に他施設での避難者数や安否情報などが寄せられ、町災害対策本部に衛星携帯電話で連絡して訓練が終了。地区内には300人ほどが生活しているというが、この日は175人の参加があった。
 同館には五葉中地域の81人が参集。住民を前に川村勝人同地区公民館長は「がけ崩れや大雨による増水など、こういった訓練をふまえながら被害を未然に防ぐようにしていきたい」と述べ、日ごろからの防災意識徹底を呼びかけていた。