角田氏は今月末で退任、市議会6月定例会、一般会計補正予算も可決/大船渡

▲ 当局から上程された報告、議案を審議した6月定例会最終日=大船渡市議会

 

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髙 泰久氏

 大船渡市議会6月定例会は最終日の21日、市当局から上程された報告8件、追加1件を含む議案23件、議員発議2件を審議し、いずれも承認、可決した。この日追加された議案は、7月からの新副市長に国土交通省出身で現在は建設コンサルタント会社で理事を務める髙泰久(たか・やすひさ)氏(64)=東京都=を選任するもので、全会一致で同意。角田陽介副市長(42)は今月末をもって退任し、国交省へ帰任する。

 

新副市長に髙氏(国交省出身)起用へ

 

 副市長の選任は、今年の議会3月定例会で角田氏の再任に同意。4月から2期目の任期に入っていた。
 戸田公明市長は「角田副市長は豊かな識見と幅広い行政経験を生かして当市復興計画の着実な推進に寄与するなど、さまざまな功績を残したが、6月30日に退任し、国交省へ復帰する運びとなった」と説明。
 「今後は復興に向けた動きが一層加速し、本格的な新たなまちづくりに大きく踏み出すべく、大変重要な局面を迎えている。このような状況のもとで総合的に検討した結果、豊富な行政経験を有し、人格、識見ともに優れている髙氏が副市長として最適任者である」と述べた。
 審議の結果、全会一致で同意。髙氏の任期は7月1日(金)から4年間となる。
 承認された27年度繰越明許費の一般会計分は60事業で、合計131億2810万円を本年度へ繰り越した。不測の事態による事故繰り越しは6事業合わせて8億1276万円で、要因は補助を受けた事業者が作業員の確保、他事業との調整などに日数を要したことなど。
 可決された議案のうち、28年度一般会計補正予算は、歳入、歳出のそれぞれに23億5510万円を追加し、総額を528億9210万円とするもの。
 主に、被災市街地復興土地区画整理事業(6億8714万円)、防災集団移転促進事業(9億4080万円)、市民体育館改修事業(4億4500万円)、消防施設災害復旧費(3359万円)などを追加した。
 末崎町の泊里漁港海岸災害復旧工事の請負契約は、防潮堤や水門部、通路部を整備するもの。
 ㈱菊池組と6億8040万円で締結する内容で、工期は29年11月30日まで。
 赤崎町の長崎・合足漁港災害復旧工事の請負変更契約は、各漁港から大船渡湾内まで避難えい航する費用と、技能労働者の不足で被災地以外から労働者を確保するために要する宿泊費用の合わせて1939万円を追加するもの。
 変更後の金額は15億4756万円となった。
 三陸町綾里の野々前漁港災害復旧工事の請負変更契約は、被災地以外からの労働者確保と避難えい航、防波堤の復旧に必要な消波ブロックの製作個数追加によるもの。
 1億4263万円を増額し、変更後の金額は12億2504万円となった。
 議員発議では、復興特別委員会と議会基本条例策定特別委員会の設置をいずれも原案通り可決。
 復興特別委は議長を除く19議員で構成し、委員長には紀室若男副議長(光政会)、副委員長には今野善信議員(新政同友会)が就任した。
 議会基本条例策定特別委は、渕上清(光政会)伊藤力也(同)平山仁(改革大船渡)滝田松男(日本共産党大船渡市議団)三浦隆(新政同友会)志田嘉功(無会派)の6議員で構成。委員長には三浦議員、副委員長には滝田議員が就いた。
 定例会終了後、退任のあいさつに立った角田副市長は「市長の補佐役として4年3カ月間、誠心誠意、市の復興と市政の推進に努めてきた。復興に向けた明るい兆しが見えてきているとはいえ、まだまだ本格的な復興に向けて課題は山積している。そのようなさなかで副市長の職を辞するのははなはだ心苦しいが、国交省に帰任しても、別の立場から市の復興、今後の発展に力を尽くしていきたい」と感謝の思いを述べた。
 角田氏は広島県広島市生まれで、国土交通省出身。24年4月1日付で就任以降、市復興計画の着実な推進や市政発展に尽力してきた。
 髙新副市長の略歴は次の通り。
 【髙 泰久氏の略歴】
 昭和52年建設省入省。同省九州地方建設局企画部企画課長、福岡県建築都市部都市計画課長、建設省都市局都市計画課都市交通調査室長、国土交通省大臣官房付、兵庫県姫路市助役などを歴任。同省退職後、日本技術開発㈱理事などを務め、現在は㈱エイト日本技術開発理事。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。兵庫県出身。昭和26年7月17日生まれ。現住所は東京都板橋区。