熱狂と笑顔と種山彩る音楽、KRF開幕/きょうまで(別写真あり)

▲ 迫力のサウンドで魅了したMONOEYES=住田町

 「ケセンロックフェスティバル」(KRF、同実行委主催)は16日、住田町世田米の種山ヶ原イベント広場で始まった。7回目となる今年も2日間開催で、初日は開幕後9組が出演。会場には県内外から多くの音楽ファンが詰めかけ、地元住民らで組織する実行委メンバーが地道に準備を重ねた空間で、心を揺さぶるライブパフォーマンスを堪能した。17日も8組が出演し、音楽で種山を熱く彩る。

 

 草原を渡る風が涼をもたらし、豊かな自然がやすらぎを与える夏の種山ヶ原。今年も静けさが一変し、人々が飛び跳ね、手を突き上げながら熱く感動的なステージに酔いしれる2日間を迎えた。
 初日のイベント広場は曇り空に覆われたが心配された降雨はなく、開催を心待ちにしていた音楽ファンは晴れやかな表情で来場。音楽ジャーナリストで実行委メンバーとも親交が深い鹿野淳氏によるDJステージに続いてASPARAGUSが今年も出演を果たし、種山での再会を喜ぶ大歓声に包まれた。

熱狂と興奮に包まれたステージ前=同

熱狂と興奮に包まれたステージ前=同

 ダンスユニットのIN─pishが続き、シンプルなバンドサウンドから心揺さぶるメロディーを響かせるMONOEYES、〝5匹のオオカミバンド〟として国内ロックシーンを席巻し海外にも活躍の場を広げるМAN WITH A MISSIONなどが登場すると、ムードは最高潮に。来場者を熱狂の渦に巻き込んだ。
 ステージだけでなく気仙の特産品コーナーや飲食店ブース、物販テントも充実。商品を囲み、来訪者と気仙の出店者が談笑しながら交流を深め、和やかな雰囲気が広がった。
 リピーターの多くは音楽を愛する心とともに、種山への親しみも胸に抱きながら来場。テントでゆったりと過ごしてすがすがしい空気を満喫する光景や、子ども連れも目立った。広場内の地面にごみは見当たらず、マナーの良さも光った。
 一関市から訪れた佐藤満里奈さん(27)は昨年に続く〝参戦〟。「前回楽しかったので、今年は妹も誘った。ステージが近く、スタッフの皆さんが親身になって接してくれるのがこのフェスの魅力」と話し、笑顔を見せていた。
 KRFは、平成20年に大船渡市で開かれた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」が前身。翌21年、22年とKRFとして種山で開催してきた。
 23年は東日本大震災の影響で見合わせを余儀なくされたが、24年に復活。以降、地域の若者が手づくりでイベントを築きあげ、気仙の復興を後押ししようと人気アーティストが集結するロックフェスとして定着している。
 17日も午前9時30分開場、10時30分開演で、the band apart、東京スカパラダイスオーケストラ、10―FEETなど8組が出演。2日間で延べ5000人の来場が見込まれ、地元内外のボランティアスタッフ延べ1000人が運営を支える。