励まし続け3600通、長野から絵手紙贈る/陸前高田市民へ
平成28年8月26日付 3面

長野県長野市の被災地オテガミプロジェクト推進チーム(久保田洋一代表)は24日、陸前高田市内の4カ所に、花の絵と応援メッセージを書いた「絵手紙うちわ」を贈った。震災の翌年に始動し、長野県民の力を借りて同市に寄せた手紙・絵手紙は「うちわ」を含めてこれまで約3600通。被災者を励まし続けるチームの善意に関係者らが感謝している。
久保田代表(75)は東北大出身などの縁から、震災後東北沿岸をまわり、その後陸前高田市の被災者らと手紙で交流。「活動をさらに広げ、元気づけよう」と平成24年10月に有志らとともに同チームを立ち上げた。
この日は久保田代表らメンバー3人が、今月上旬に長野市内で開催した絵手紙うちわの展示会で飾った76枚を持参し、同市を訪問。活動に協力する長野県のシニア大学受講生や修了生が書いたもので、高田町のりくカフェ、市社会福祉協議会、市仮設住宅連絡会、市内で農園活動を手がける「はまらっせんクラブ」に贈った。
このうち、りくカフェではうちわ約20枚を届け、久保田さんとはじめに手紙のやり取りをしていた絵手紙サークル「はまなすの会」(宗宮壘子代表)の会員・近藤乃子さん(81)や宗宮代表(67)らと交流。
涼し気な季節の花々とともに「声を出して話をしてね。きっと元気をもらえるよ」「いつも心に太陽を!!復興を願っています」などというメッセージが込められたうちわを手に会話を弾ませ、再会を約束していた。
はまなすの会は今月の長野市内での展示会にも協力し、会員らが描いた絵手紙や震災時の津波の写真などを飾り、震災の猛威と復興への思いを発信。宗宮代表は「わざわざ長野からずっと応援してくれている。本当にありがたい」と感謝していた。
久保田代表は「仮設住宅から出るのが被災者のゴールではない。これからも活動を続け、少しでも力になれば。また、長野で陸前高田市の現状を伝え、風化を防いでいく」と意欲を語った。