「連合」で経験つなぐ、気仙地区中学校新人大会/きょうまで(別写真あり)

▲ 予選リーグを戦う「赤越日綾」の連合チーム=下有住・生涯スポーツセンター

 気仙地区中体連(会長・金賢治大船渡中校長)主催の平成28年度地区中学校新人大会は17日、気仙3市町で開幕した。3年生が引退し、各校1、2年生による新人チームでの争いとあって、少子化が進行する中で部員減への対応に迫られる学校も。軟式野球は3チームが連合で出場し、バレーボール女子では4校連合も生まれた。選手たちは自らの競技力向上だけでなく、部活動の伝統を後輩たちにつなげようと随所に好プレーを見せ、活気をもたらした。

 

部員減少 それでも前へ

 

 中学生相互の親睦交流とスポーツを通じた心身の健全育成、競技力向上をめざす大会。気仙地区教委協議会と沿岸南部教育事務所が共催し、岩教組気仙支部が後援している。
 同日行われたのは軟式野球、バレーボール、バスケットボール、ソフトテニス、卓球、サッカー、柔道、バドミントンの8競技。柔道とサッカー、バドミントン以外は18日も行われ、同日は剣道も予定している。
 団体種目の軟式野球やバレーボール、バスケットボール、サッカーでは、1校だけでチームを組めず、近隣校との連合で臨む対応が目立った。少子化に伴う生徒数減少が続く中、選手たちの日ごろの練習成果を発揮できる場を確保しようと、工夫が見られた。
 このうち、9チームが参加したバレーボール女子では、大船渡市の赤崎、越喜来、日頃市、綾里の4校連合が一つのチームとして出場。3チームごとに分かれた総当たり戦の予選リーグに臨んだ。
 綾里のユニホームを着て臨んだ選手たち。リードを許す苦しい試合展開を強いられても懸命にボールを追い続け、随所にスパイクを決めては1点ごとに喜び、活気にあふれた。
 主将を務めた綾里中2年の山口尚美選手は、1年生時も連合で出場。「短い練習の時間だったけど、チームワークはバッチリだったと思う。4校で出場できて良かった」と笑顔をみせた。
 チームメンバーは綾里が4人、日頃市が2人、越喜来が3人、赤崎が2人。組み合わせによっては2校、3校でも参加できるが、残った学校の出場機会が失われる。来年度以降の新チームに経験をつなげようと結成され、7月から練習を本格化させた。
 全体練習は週末に限られるなど、厳しい環境下での調整が続いた。それでも、木村義輝監督=綾里中=は「レフトアタッカーに対するブロックなど、練習成果は出ていた。連合によって部員募集や活動の停止とはならず、後輩たちにも競技をつなぐことができる」と、プレーぶりをたたえた。本年度いっぱいは4校で活動を続け、実践力を養うことにしている。
 軟式野球は大船渡市の赤崎と末崎、日頃市と吉浜、住田町の世田米と有住がそれぞれ連合で出場。「オール住田」の世田米・有住連合は、町営野球場での開幕戦で平成25年度に広田、米崎、小友の各校が統合して生まれた高田東中と対戦。惜しくも敗れたが好試合を展開し、終了後はスタンドから大きな拍手が送られた。
 有住中選手の投球を受け続けた世田米中1年の佐々木颯真捕手は「単調なリードになることもあったが、全体的にはまずまずの試合運びだったと思う。きょうの経験を生かせるよう、これからはとくにバッティング練習に力を入れたい」と語り、前を向いた。