「次」に向けて活気発信、仮設で最後の「さんま祭り」/おおふなと夢商店街(動画、別写真あり)

▲ 仮設商店街としては最後の開催となった「夢さんま祭り」。炭火焼きの振る舞いなどで活況を呈した=おおふなと夢商店街

 大船渡市大船渡町字茶屋前の仮設商店街「おおふなと夢商店街」で25日、第4回「夢さんま祭り」が開かれた。韓国の有志の支援を得て震災後開いているもの。同商店街は中心市街地の復興工事に伴い撤去されることが決まっており、いまの場所での開催は今年が最後。炭火焼きサンマの振る舞いやステージイベントなどが繰り広げられ、終日にぎやかな声が響いた。 

韓国の人気グループ「MR.MR」も来場。イベントに花を添えた=同

韓国の人気グループ「MR.MR」も来場。イベントに花を添えた=同

 同商店街は東日本大震災のあった平成23年12月、JR大船渡駅周辺の商店主らが中小企業基盤整備機構が整備した無償貸与施設を活用し、復興ののろしを上げた。市の土地区画整理事業などに伴い、商店主らは今後かさ上げ地に整備される新しい商業施設に移るなどして本年度で閉鎖されることが決まっている。
 仮設商店街としては最後となった夢さんま祭りは平成25年から開かれ、秋の一大イベントとなっている。同商店街で開かれた韓国語や料理教室を縁に、芸術文化面から復興支援にあたるNPО法人日韓文化交流会が共催しており、市やKOTRA(大韓貿易投資振興公社)などが後援。
 この日は、朝から青空が広がって日中は汗ばむほどの陽気に恵まれた。開会式で同商店街協同組合の伊東修理事長は、「仮設では最後になるが、これからも新しい商店街でにぎやかに行っていきたい」、日韓文化交流会の任祥均専務理事は「出会いに感謝しながら一生懸命盛り上げていきたい」とあいさつ。
 引き続き伊東理事長が、開催を支援し続けている日韓文化交流会、KOTRA、埼玉県和光市の有志でつくる渡和の会に感謝状を贈呈。戸田公明市長も駆け付けて祝辞を送った。
 開幕に合わせ、会場ではサンマ炭火焼き2000匹の無料振る舞いがスタート。岩手大学や渡和の会のメンバーが手伝い、列をつくった人たちに焼きたてを手渡した。日韓コラボの「夢さんまキムチ鍋」500食も無料提供し、2時間ほどでなくなる人気ぶりだった。
 ステージイベントは陸前高田市の氷上共鳴会「氷上太鼓」の熱気あふれる演奏で始まり、韓国の人気グループ「MR.MR」、宮城県の復興志縁和太鼓プロジェクト「福面」が出演。「MR.MR」は昨年に続いての参加で、炭火焼きサンマの手渡しなどで来場者ともふれあい、盛り上げに一役買っていた。
 このほか、鮮サンマの格安販売など物販コーナーも活況を呈した。KOTRAによる協賛企業9社のブースでは売り上げを同商店街に寄付。同商店街では台風10号の豪雨で被災した岩泉町の特産品販売コーナーを設けるなど、助け合いの輪も。日韓文化交流会の宇佐崎敦子東日本復興推進リーダーは「わたしたちも力をもらってきた。これまでの縁を大切に、新しい商店街でも支援や交流を続けていければ」と話していた。