「なつかしの学び舎」に活気、18日まで民俗資料館特別展/住田町(別写真あり)

▲ 出品者らが笑顔を交わしながら作品を鑑賞=上有住

 住田町上有住の民俗資料館で14日、同館特別展「なつかしの学び舎パート15」が開幕した。館内は地域住民らの出品にあふれ、日ごろの多彩な創作活動成果を発信。旧上有住小学校の校舎を生かした古き良き建物内は、初日から力作を前に住民らが会話を弾ませるなど、なごやかな雰囲気に包まれた。18日(火)まで開かれる。

 

住民の力作ズラリ

 

 特別展は、地区民相互の対話と交流を深める機会をつくろうと、毎年この時期に開催。上有住地区公民館、同地区計画推進協議会、五葉山自然倶楽部、同地区サン・ヨブ・トークの会が運営する。
 資料館は、有住小や同地区公民館に隣接。明治時代の建築様式が生かされ、木造階段の手すりなどに施されたモダンなデザインの美しさに引かれる。館内は常に産金関連の資料や生活文化が伝わる文化財などが展示されている中、14日からは住民手づくりの作品が並び、彩りが増した。
 「手づくりの技展」では、廊下いっぱいに住民らによる手芸やパッチワークなどの作品がズラリ。来年のえと・酉に合わせた縁起物の作品や、指先での細やかな作業を必要とする布小物や帽子、長期間かけて制作したバッグなどが並んだ。高齢者生活福祉センター・アンルス利用者による力作も、館内に華やかさを添えた。
 初日は多くの地域住民が訪れ、作品を鑑賞し合いながら談笑。毎年参加している上有住深渡の熊谷ツヨミさん(88)は今年、「七転び八起き」の意味を込めた手芸のダルマ作品などを展示した。「手を動かすのがもともと好きだけど、こういった展示もあるから励みになるね」と話し、笑顔を見せていた。
 特別展示室では、昭和時代の五葉山やその風景、人々とのかかわりを撮影した写真を公開する「五葉山・昭和の記憶」を企画。山小屋や登山道の変遷、周辺地域に暮らす人々の生活文化などを伝える作品が並ぶ。
 また、上有住地区計画推進協議会が9月に実施した、地区内の文化資源を訪ねる活動「たまげたね!上有住」も紹介。来館者は八日町出身で「情熱の歌人」と称された佐藤霊峰の常設展示などにもふれながら、文化の秋を満喫していた。
 開催時間は午前9時から午後4時。入場は無料。問い合わせは同地区公民館(℡48・2013)へ。