甫嶺校舎に別れ告げる、学習発表会後に感謝の会/越喜来小(別写真あり)

▲ 感謝の気持ちを込めて4校の校歌を歌う全校児童=越喜来小

 11月に新校舎への移転を控えた大船渡市立越喜来小学校(村上修校長、児童85人)の学習発表会・甫嶺校舎感謝の会は22日、三陸町越喜来の同校体育館で開かれた。児童らが劇や合唱を発表したほか、越喜来小・甫嶺小・崎浜小の3校と新しい越喜来小の校歌を披露。甫嶺校舎に別れを告げるとともに感謝の気持ちを伝えた。
 同校甫嶺校舎は、東日本大震災の発生前まで甫嶺小として地域の子どもたちの成長を見守ってきた。大震災後は、校舎が全半壊した越喜来小・崎浜小の両校の児童たちが間借りする形で授業を受けていたが、平成24年度に3校が統合。新たな越喜来小として再スタートを切った。
 現在、大船渡消防署三陸分署南西の山側一帯を切土した高台で越喜来こども園園舎とともに新校舎が整備されており、11月7日(月)に供用を開始する。
 本年度の学習発表会は「全力で感謝・感動を伝えよう」がテーマ。子どもたちの勇姿を一目見ようと、この日は保護者ら地域住民が多数来場。児童の晴れ舞台を見守った。
 発表会のうち、3年生は甫嶺小で長年演じられてきたという群読「剣舞」を披露。5年生は、引っ越し目前の越喜来小に甫嶺校舎の座敷わらしが転校生として現れるという劇「不思議な少年」を、6年生は甫嶺小校庭に仮設住宅が建設されなかった理由を描いた劇「子どもたち・地域のために」を演じた。
 すべての演目が終了したあと、甫嶺校舎への「感謝の会」が行われた。
 まず、児童全員で甫嶺小・崎浜小・越喜来小の校歌を、それぞれの小学校へ対して感謝のメッセージを贈った後に歌い上げた。
 続いて、新校舎移転後に使われる新たな校歌を保護者や地域住民の前で初めて披露し、全校児童で「安全ですてきな校舎で学ぶのが楽しみ。力を合わせて楽しい学校生活を送ります」と宣言した。
 3人の子どもが甫嶺小で過ごし、孫が甫嶺校舎で学んでいるという斉藤光子さん(64)は「(甫嶺校舎は)3人の子どもが育ったところなのでさみしい思い。孫は喜んでいるけど、私としては複雑」としんみり話していた。
 越喜来小の山下大地君(6年)は「地域や校舎に今までの感謝の気持ちを込めて歌った。新校舎は本当に立派だし、楽しみ」と新しい学校生活に思いをはせていた。
 平田涼華さん(同)は「四つの校歌を歌うのは最後と思うし、発表で思いは伝えられたと思う。来年4月で卒業なので残り少ないけど、しっかり学校生活を送りたい」と話していた。