住宅再建予定地を間近に、今泉地区高台⑤一帯で見学会(動画、別写真あり)

▲ 担当職員に周辺の道路や施設などについて質問する参加者=気仙町

 陸前高田市の被災市街地土地区画整理事業による今泉地区(気仙町)現場見学会は22日に開催され、仮換地指定通知を受け取った権利者らが住宅の建設予定地や周辺の環境などを確認した。同地区高台⑤など一部エリアは来夏に建築着工が始められる予定で工事が進み、地権者たちは「やっとここまで来た」という安堵(あんど)混じりの表情を浮かべながら、「もうしばらくは頑張らないと」と気を引き締め、早期の造成完了を願った。同見学会は23日も行われる。

 

一部は来夏建築可能に

全域の早期完成に期待寄せ

 

 住宅再建を待ち望む人たちに、普段立ち入りできない工事現場を直接見てもらい、事業の進ちょくについて理解を深めてもらおうと開催された見学会。区画整理や防災集団移転促進事業で住宅再建を予定する住民およそ120人が事前に申し込んだ。2日間、計6回にわたって実施されるうち、22日の初回には40人余りが参加した。
 同地区の見学会は平成27年10月に続く2回目の開催となるが、昨年は同町・愛宕山の造成地に整備予定の「8号緑地」から眼下を見下ろす形で行われたため、地権者らが実際の建設予定地へ足を踏み入れるのは今回が初めてとなる。
 視察したのは、気仙大橋から見上げるとちょうど正面付近にあたる気仙小建設予定地と高台⑤(龍泉寺西側)を中心とした一帯。どのようにしてかさ上げの材料が作られているかや、建設中の災害公営住宅について説明があったのち、先行して造成が進む高台⑤の工事状況を見学した。
 参加者は市職員に「道路はどこをどのように通るのか」「小学校の校舎はどの位置に建つのか」などと盛んに質問。周囲の状況や本換地が予定されるエリアなどを指さして確認し、住宅再建のイメージを膨らませた。
 今泉地区は今年8月までに9割以上の地権者の仮換地が確定し、対象およそ520人組の移転先がほぼ確定した。同地区では高台②~⑦および今泉、長部の災害公営住宅と小学校、保育園建設予定地などが造成中で、このうち高台⑤は来年度夏に第1弾の建築着工が始まる予定となっている。
 現在は竹駒町の仮設住宅に暮らし、高台⑤に夫婦2人の自宅を再建予定の菅野隆一さん(78)と三津子さん(75)は、「『あのあたりになる予定ですよ』と教えられ、ようやく目安がついてきたことを実感した」「一歩ずつ、本当に一歩ずつは進んでいるなと思う。でも2人ともこの年なので、『1カ月でも早く、とにかく早く』と待ち遠しい気持ち」と話し、全域の工事が順調に進むことを願った。