「強み」しっかり整理を、観光プラットフォームで北田氏が講演/住田町

▲ 幅広い観点からアドバイスを送った北田氏(写真奥)=町役場

 住田町観光協会(泉田静夫会長)による平成29年度第1回住田町観光プラットフォームは18日夜、役場町民ホールで開かれた。本年度初の活動は、公益財団法人・さんりく基金三陸DMOセンター(盛岡市)の北田耕嗣観光プロデューサーが講師を務め、観光産業の現状を伝えたうえで、住田らしい振興につながるヒントを伝えた。
 観光プラットフォーム事業は平成28年度からスタート。町内の観光関係者らが集い、町の魅力向上や所得向上につながるアイデアを出し合いながらワークショップなどを展開してきた。「実行する計画づくり」を目指しているほか、議論内容は、来年度以降の観光協会の活動や町の施策反映を見据えている。
 本年度初の活動は「沿岸南部と内陸部をつなぐ地域の役割という視点で、町の今後の観光地域づくりを考えよう」と企画。町観光協会関係者や、観光振興に関心がある住民ら20人余りが出席した。
 観光業界に長年携わってきた北田氏は東日本大震災以降、被災地支援として東京と岩手をつなぐプロモーションを手掛ける。岩手県内の若手異業種交流、観光産業に関する研修会の開催などに携わり、観光産業を通じた地方活性化を目指している。
 現状紹介の中で北田氏は、今年における観光客の受け入れ充実に向けた政策の動きを解説。旅行業者にとどまらず宿泊施設でも着地型旅行を販売することが可能となり、より各地域の魅力を生かした旅行メニュー企画が期待できる流れにふれた。
 また、個人がSNSなどを用いて情報収集・発信を行う中、今後はさらに地域での受け入れが重要になると強調。「住田の皆さんが自ら世界中に紹介していく時代が目の前に来ている」と語った。
 旅行者のニーズが多様化している半面、情報発信も含めて対応状況はまだ整っていない点にも言及。「観光産業は人口減少を補う可能性がある産業」「お金を気持ちよく使ってもらえる仕組みづくりを」と、将来につなげる重要性を掲げた。
 住田の観光資源に関しては「滝観洞が住田にあることは、岩手に住んでいても知らない人が多いのでは」「一歩まちに入ると、気仙川の昭和橋や蔵並みなどいやされる光景が多い。来た方々にどのような影響を与えることができるかを考えることは大事」などと指摘。観光資源や体験メニューを整理し、アピールのあり方や理解されやすい環境をつくり上げる大切さも伝えた。
 次回は5月16日(火)午後7時から町民ホールで開催。県内道の駅や観光物産館などの事例紹介、県産業創造アドバイザー・大滝克美氏が講師を務める観光セミナーを予定している。
 第3回は8月ごろに予定し、11月まで月2回程度開催する。町の観光、物産、産直施設運営などに関心があれば、誰でも無料で参加できる。問い合わせは同協会(℡46・2111内線237)へ。