春風受けて 清流に彩り、世田米の清水橋にこいのぼり(別写真あり)

▲ 優雅に泳ぎ出すこいのぼり=世田米

 住田町世田米の新町親睦会(細谷勝男会長)によるこいのぼりの掲揚作業は23日、気仙川に架かる清水橋沿いで行われた。橋沿いには、愛知県内の企業や地域住民から贈られた色とりどりのこいのぼりが並び、川沿いに咲く春の花々とともに彩りで活気をもたらし始めた。掲揚は、5月7日(日)までを予定している。

 

新町親睦会が今年も掲揚

 

 親睦会は、気仙川左岸側の清水橋たもとに住む約20世帯で構成。子どもたちの健やかな成長を願って平成11年から毎年実施し、東日本大震災以降は被災地の子どもたちを元気づけ、早期復興を願う意味も込めている。
 今年の作業には、気仙川の一斉清掃を終えた住民ら約20人が参加。長さ約90㍍のワイヤーに、色とりどりのまごいやひごいを1匹ずつ、約70匹を取り付けた。
 こいのぼり不足に追い込まれた時期もあったが、震災を機に町と交流を深めるトヨタ自動車㈱をはじめとした愛知県内の企業や団体、地域住民が25、26年に合計約1400匹を贈呈。以降、善意を生かして傷んだものは順次交換しているといい、今年も〝活きのいい〟こいのぼりを並べることができた。
 声をかけ合い、絡まることがないよう注意を払いながら、コンクリート柱に引っかけたワイヤーを張って掲揚。作業開始時は曇天だったが、泳ぎ始めるのを待っていたかのように青空がのぞいた。川上に向かって一列に連なる光景に、住民からは「最高の風が吹いているね」といった声も聞かれた。
 左岸側の橋下に伸びるサクラは、ちょうど今が満開。川べりではスイセンや菜の花も風に揺れ、清流は彩りに包まれた。
 作業を終えた住民は、地域の誇りを今年も揚げた満足感を味わいながら〝渡り初め〟。散歩で通りかかった人々も足を止め、流域に春本番を告げる光景を楽しんでいた。
 細谷会長(78)は「サクラの満開時期にも重なって、優雅に泳いでくれているね」と話し、笑顔を見せていた。