本設店舗で新たな一歩、JR大船渡駅周辺地区で第2期まちびらき(動画、別写真あり)

▲ 第2期まちびらきが行われ、もちまきには多くの市民らが参加=千年広場

 大船渡市大船渡町のJR大船渡駅周辺地区「第2期まちびらき」は29日、津波復興拠点整備事業区域(面積約10・4㌶)内に開業した3商業施設で行われた。式典や大船渡にゆかりあるゲストらも出演したステージイベントなどを通じ、新たなまちの一歩を祝福するとともに、商業復興がより加速するよう祈念。各商業施設では、東日本大震災で被災した商業者らが本設施設での営業を始め、買い物や飲食を楽しむ人々で活気が生まれた。

 

商業復興の加速を祈念

 

 市は同駅周辺地区において、将来にわたり持続的ににぎわいを生み出し、大船渡らしさを生かした魅力的なまちづくりを進めようと、土地区画整理事業と津波復興拠点整備事業に取り組んでいる。
 JR大船渡線から海側に位置する津波復興拠点整備事業区域には、商業・業務機能の集積を推進。これまで同駅前の交通広場が完成し、隣接する大船渡プラザホテル(③街区)、南側のキャッセン・大船渡ショッピングセンター(⑥街区)が開業した。
 昨秋には、おおふなと夢商店街協同組合の「おおふなと夢商店街」(④街区)、まちづくり会社・㈱キャッセン大船渡の「キャッセン・フードビレッジ」(②街区)、「キャッセン・モール&パティオ」(⑤街区)の3商業施設が着工。この日、念願のオープンを迎えた。
 いずれも店舗部分はテナント型で、物販、飲食店を中心に④街区には18店舗、②街区には12店舗、⑤街区には16店舗が入居。この日、一部を除く店舗が営業を開始した。
 第2期まちびらきは、これら施設の開業に合わせて行われ、夢商店協同組合やキャッセン大船渡などからなる大船渡中心市街地新生グループが主催。主会場の⑤街区内・千年広場には、来賓や同グループ、市の関係者ら約50人が出席し、市民らが見守った。
 冒頭、大船渡を支援する「やっぺし祭り」の〝やっぺしチアダンサーズ〟が元気なパフォーマンスを披露。続いて、同市の復興応援特別大使を務める宮川大助・花子さんが登場し、「よくこれまで頑張ってきた。本当におめでとう」と祝福した。
 式典に移り、主催者を代表してキャッセン大船渡の田村滿代表取締役が「オープンするうえで、〝地域にとってどんな存在なのか〟がすごく重要。このまちのためにも、気仙のためにもこれから頑張っていきたい」とあいさつ。
 来賓の戸田公明市長、齊藤俊明大船渡商工会議所会頭が祝辞を贈り、戸田市長は「大船渡駅周辺地区の商業再生に向けた大きな節目だが、これからが正念場。100年後の大船渡人に引き継ぐ、まち文化の創造を期待する」と述べた。
 続いて、おおふなと夢商店街協同組合の伊東修理事長、田村代表取締役が大助・花子さんの立ち会いのもと、「近隣住民の皆さまや大船渡市内外の皆さまからのさらなる共感を集め、当地を末長くにぎわうまちにしていく」とまちびらき宣言。鏡開きりを行い、中心市街地の新たな出発を祝った。
 このあと、イベントステージとして、もちまきや祝い酒の振る舞い、大助・花子さんのライブを展開。やっぺしチアダンサーズによる振り付け指導やステージ、大船渡にゆかりある歌手らによる「まちびらきライブ」も繰り広げられ、盛り上がりを見せた。ワークショップコーナーも幅広い世代の関心を集めた。
 17店舗がオープンしたおおふなと夢商店街でも、もちまきやミニSL乗車体験などのイベントを実施。多くの家族連れや買い物客らが詰めかけた。
 ミニSLなどを体験した猪川町の横山悠希君(5)は、「楽しかった。また乗ってみたい」と笑顔。盛町の女性(65)は「入りやすくなったし、1カ所で何でも用が足せそう。バス停も近く、これからもぜひ来てみたい」と話していた。

ランチタイムから営業をスタートした「かもめ商店」=おおふなと夢商店街

ランチタイムから営業をスタートした「かもめ商店」=おおふなと夢商店街

 商店街の中で新規出店した焼肉・韓国料理「かもめ商店」は、ランチタイムから営業を開始。家族連れやグループが訪れ、焼肉、冷麺などに舌鼓を打った。
 同店の新沼智浩さん(34)は「当面は焼肉が中心になるが、徐々に韓国料理も提供していきたい。地域の人が気軽に来られる店を目指し、商店街に人を集められるようにもなれば」と意欲を見せていた。
 本設のオープンを迎え、伊東理事長(64)は「地元の人たちが、いかにここへ立ち寄ってくれるかを考えていきたい。正念場はこれから。地元に愛される商店街を目指したい」と話していた。
 この日は式典に先立ち、桜橋付近の須崎川沿い植樹帯で「さくらの記念植樹式」も開催。公益財団法人日本さくらの会から贈られたジンダイアケボノ50本のうち、3本を第26代さくらの女王・増田愛子さんと関係者らが植え、サクラ並木がまちに彩りを添えるよう願った。
 30日は午後1時30分から、千年広場で記念イベントを開催。濱守栄子さん、河野ひろムさん、三遊亭楽大さん、横道毅さんが歌や落語のライブを行う。