「チャオチャオ」復活、震災で休止 7年ぶり開催へ/陸前高田

▲ 高田駅前通りで行われていた「チャオチャオ陸前高田道中おどり」が再開へこぎつけた(写真は平成22年のイベントの様子)

 東日本大震災前の平成22年まで、陸前高田市高田町の駅前通りで行われていた「チャオチャオ陸前高田道中おどり」が7月29日(土)、同町の新しい中心市街地でよみがえる。コミュニティー再生を図り、支援に対する感謝を示すとともに、亡き人々への慰霊の意味を込めた催しとしての再開になる。

 

600人の参加募り新市街地で、実施前には避難訓練も

 

 「チャオチャオ チャチャチャで唄っチャオ」…明るく耳なじみのいい曲と歌詞。同市の市制施行40周年(平成7年)を記念して制作されたイメージソング『チャオチャオ陸前高田』などを踊る〝まちなかのお祭り〟が復活する。今回の催しは、市観光物産協会が主催・運営事務局を務め、陸前高田商工会と市が共催。今月27日(火)から踊り手の募集を開始するという。
 このイベントは、同曲を広く普及させようと8年度から毎年行われてきた、市民総参加の道中おどり。町内会や地域女性団体、事業所単位などで申し込みがあり、およそ2000人の踊り手が、高田町駅通りへと繰り出す〝夏前半〟の一大行事だった。
 しかし、23年の大津波によって駅前通りはおろか、市街地は跡形もなく壊滅。それでも発災から2年を過ぎるころには、市観光物産協会に「チャオチャオをまたやってほしい」という市民からの声が寄せられていたという。
 一方で、同市内で1750人を超す震災の死者・行方不明者を出したこと、また、生活再建もままならない中、「とてもそんな気になれない」と行事開催に対する抵抗感を感じる人もいたことから、再開は見送られてきた。
 震災から丸6年。同協会が今年復活へと動いたのは、仏教でいう「七回忌」を迎え、市民の間にも少しずつ〝以前の日常〟を取り戻していこうという気持ちが高まってきたとの判断から。同協会の淺沼ミキ子さんは、「『皆、元気でやっているよ』ということを、天への慰霊の祈りとして届けることができれば」という。
 以前の規模にはおよばないものの、今年はおよそ600人の参加を募る。会場は、同町のかさ上げ地に造られた新しい中心市街地。7月12日(水)には、参加団体の代表者による説明会を開催する。出席を必須とし、説明会前に現地で津波避難訓練も行う。
 淺沼さんは、「再開して良かったね、とか、ただ集まってワイワイ、ということではなく、そこへ津波が来たこと、いざという時はどちらに逃げればいいのかということも、しっかり伝えていきたい」と語る。
 当日は以前と同様、『チャオチャオ陸前高田』と『高田音頭』『寄さこい見さこい陸前高田』の3曲の演舞を繰り広げる。踊り手の募集は7月10日(月)までで、申込用紙は同町字鳴石42の5の同協会にある。先着順とし、定員に達し次第締め切る。
 問い合わせは同協会(℡54・5011)まで。