校庭は予定通り年度内に、仮設住宅の撤去・集約化/陸前高田市

米崎小学校グラウンド仮設住宅など、校庭仮設7団地が年度内に撤去・集約化される=陸前高田市(写真は5月)

米崎小学校グラウンド仮設住宅など、校庭仮設7団地が年度内に撤去・集約化される=陸前高田市(写真は5月)

 陸前高田市は、平成28年度に策定した「応急仮設住宅の撤去・集約化に関する基本方針」を改訂した。学校グラウンドは当初の方針通り、本年度中に入居者の移転を完了し、来年4月以降、建物の解体などへ移る。当初、32年度末まで撤去・集約に時間を要するとみられていた21団地のうち、20団地の集約・解体が1年以上「前倒し」された。最も入居戸数が多い高田町では、31年度までにすべての集約を済ませ、32年度までに解体を行う予定になっている。

 

20団地で1年以上前倒し


 市は27年5月から実施した住宅再建意向調査の結果をもとに、仮設住宅での入居者推移を推計。
 各町別に30年9月時点の入居者を▽矢作町56戸(建設戸数153戸)▽横田町66戸(同218戸)▽竹駒町102戸(同272戸)▽気仙町25戸(同152戸)▽高田町211戸(同513戸)▽米崎町88戸(同292戸)▽小友町62戸(同282戸)▽広田町34戸(同198戸)──と予測したうえで、団地の撤去・集約化計画を28年3月に策定した。
 今回の改訂は、特定の事情がある人に限り入居期間が延長される「特定延長」が、30年4月から導入されることを受けてのもの。28年8月に実施された「住宅再建に関する最終意向調査」の結果を踏まえ、見直しを図った。
 29年4月時点での入居戸数は矢作町62戸、横田町61戸、竹駒町128戸、気仙町18戸、高田町169戸、米崎町88戸、小友町58戸、広田町36戸となっており、横田と、気仙、高田、小友ですでに推計を下回っている。
 計画の基本的方針はこれまでと変わらず、「撤去・集約化は現入居者の意向を尊重し、地域コミュニティーの維持や移転者の負担軽減に配慮。必要最小限度の転居にとどめながら、撤去集約化を図る」とした。
 優先的に縮小・撤去集約化に取り組んできた学校用地は、予定通り来年3月までに集約化を図る。すでに生徒が在籍していない旧米崎中学校仮設住宅団地では、解体が予定より1年早まったが、31年度まで存続する。
 民有地は、地権者の意向を踏まえながら、「30年度は各町1カ所程度に撤去・集約化することを目指す」とした。被災市街地復興土地区画整理事業による造成完了が、一部エリアで33年3月まで延長された気仙町では、民有地に立つ二日市仮設団地のみ31年度末まで残されることになった。
 当初計画で、32年度末までの撤去・集約化を予定していたのは21団地。改訂版では「最終集約団地」滝の里仮設団地(竹駒町)をのぞく20団地で計画が1年以上「前倒し」になった。これにより、31年度下半期まで継続される団地は11カ所と、発災後に開設された団地(51カ所)の5分の1近くまで減ることになる。
 本年度行われる撤去・集約化は15団地の予定。市の要請に基づいて仮設住宅から仮設住宅への転居が必要となった場合については、民間事業者に委託しての引っ越し作業支援と、金銭給付による支援を行うとし、移転者の負担軽減に努める。市は今後、集約予定の団地ごとに説明会を開き、移転先団地の調整などを行うとしている。
 市がまとめた団地別の集約化計画は別表の通り。