赤崎グラウンド人工芝に、臨時会で工事契約可決/大船渡市

▲ 人工芝工事が行われる赤崎グラウンド=赤崎町

 大船渡市議会第4回臨時会は8日に開かれ、市当局から提出された赤崎グラウンド人工芝新設工事の請負契約締結に関する議案1件を審議し、原案通り可決した。市が管理する屋外運動場としては初の試みとなる人工芝化により、サッカーや野球などのスポーツをはじめ、イベントなどにも活用できる多目的グラウンドとしての充実を図る。来年1月の供用開始を目指す。

 

 来年1月の供用開始目指す

 

人工芝整備後をイメージした平面図(大船渡市提供)

人工芝整備後をイメージした平面図(大船渡市提供)

 赤崎町生形にある赤崎グラウンドは、東日本大震災で被災した旧赤崎小学校跡地を活用。平成26年度から市の社会体育施設となり、駐車場を含む敷地面積は約1万5000平方㍍。28年度は1万5638人が利用した。
 人工芝新設工事は、盛岡市の長谷川体育施設㈱岩手営業所と契約。契約金額は1億9764万円。
 舗装工(人工芝グラウンド、身体障害者用駐車場とスロープ)、排水施設工(側溝、集水ます等)、付帯施設工(既存防球ネットの下部調整と出入り口部設置)の各工事を行う。工期は30年1月4日まで。
 このうち、人工芝舗装はグラウンド部分(面積1万1630平方㍍)に長さ55㍉のロングパイル人工芝を敷設。傾斜が生じている地面を水平にならしたあと、路盤工、基層工を経て人工芝を設置し、砂とゴムチップを充てんする。
 グラウンドには、一般サッカーコート1面、8人制サッカーコート2面、フットサルコート1面、野球場(両翼70㍍)1面を設ける。サッカーコートは公式戦に対応。市の施設では初の人工芝グラウンドとなり、スポーツやイベントなどでの多目的利用が可能となる。
 議員からはグラウンドの年間維持費に関する質問があり、江刺雄輝生涯学習課長は「芝の間に充てんする砂とゴムチップの補充が定期的に必要であり、年間30万円程度かかると見込んでいる。芝は長期間の使用に耐えうるものを選定しているが、15年~20年に1回の張り替えは必要になるだろう」と答えた。
 グラウンドの関連施設ではほかに、6月定例会で一般会計補正予算として可決されたクラブハウスと観客席の整備も実施中。クラブハウスにはロッカールームやシャワールーム、事務室、トイレなどを配置し、観客席は300席を設ける計画で、年内の完成を予定する。
 いずれの施設も、来年1月の供用開始を目指す。市は市民はもちろん、市外のクラブチームや学校による合宿、各種イベントでの利用を通じ、交流人口の拡大、地域活性化も図りたい考えだ。

 

 第18回復興交付金配分額を公表

 

 臨時会後の全員協議会では、市当局が第18回復興交付金配分額を説明した。対象は29年度の1事業で、配分額は国費分の1133万2000円。第1回からの総額は、900億8135万7000円となった。
 配分は市の埋蔵文化財発掘調査事業(新規)に対するもの。被災者の個人住宅・店舗の新築などに伴う埋蔵文化財調査で出土した文化財を保存するため、三陸町綾里地内にある既存のプレハブ施設を収蔵設備として整備する。
 今回配分を受けず、事業間流用によって全体事業費などに変更が生じたのは、防災集団移転促進事業(泊里地区)など市による3事業。
 市街地復興効果促進事業で、新たに活用が認められたのは6事業。このうち、継続の復興まちづくりコーディネート事業は民間委託で行うもので、本年度分の事業費は1224万8000円。復興計画の検証や今後のソフト事業等の見直しなどに向け、28年度に行った市民アンケート結果における前回調査との比較、各地域等の代表者との懇話会を計画する。
 漁業集落復興効果促進事業で活用が認められたのは潮位観測装置整備事業で、事業費は2800万円。津波で倒壊した大船渡湾、門之浜湾、越喜来湾の潮位観測装置を再整備する。