学生の視点で魅力発見、陸前高田でフィールドワーク/関西大学と海外協定校(別写真あり)

▲ 地域住民が気づかない地元の魅力を発表する学生たち=陸前高田グローバルキャンパス

 大阪府吹田市に本部を置く関西大学商学部は1〜13日まで、陸前高田市内で課題解決型学習プログラム「国際ジョイントPBLプログラム」を実施した。海外協定校であるメキシコのモレロス州立自治大学、ベトナムの貿易大学と共同で行われた取り組みで、期間中、学生たちが市内でフィールドワークを展開。学生ならではの新鮮な視点で陸前高田の魅力を発見し、最終日に行われた陸前高田の未来に関するプレゼンテーションで発表した。

 

 〝未来〟についてのプレゼンも

 

 この取り組みは、プロジェクト実践力と異文化適応能力の育成を目的とした国際共修プログラムで、陸前高田でのフィールドワークは一般社団法人「マルゴト陸前高田」がコーディネート。語学力の習得・向上を図りながら地域に参画し、課題解決と魅力発信を通して地域活性化に寄与しようと企画された。
 今回は3大学から計11人が参加し、3チームに分かれて現地入り。五感を働かせながら陸前高田を歩き、民泊など市民との交流を通して魅力に触れた。
 最終日の13日夜には、米崎町の陸前高田グローバルキャンパスで「私たちが考える陸前高田の未来」と題したプレゼンテーションを実施。学生や関係者、地域住民など約40人が出席し、3チームそれぞれのプレゼンを聞いたあと、全員で意見・感想・提案などを語り合った。
 学生たちはプレゼンで、「コミュニティーウオークで一番感じたことは人々の温かさ。みんな笑顔で親切に話してくれた」などと陸前高田の魅力を発表。風景を撮影した動画を編集して紹介するチームもあり、観客からは「高田だとは思えない」「旅番組のようだ」との声が上がった。
 このチームは滞在中の思い出も動画にまとめており、それを見て「〝ないものねだり〟ではなく〝あるもの探し〟が大事だが、地元の人間だけだとザルで水をくむようなもの。外から来る人たちの視点が新鮮で素晴らしい」と絶賛する地域住民も。
 「君たちの感性で陸前高田を撮って、もっともっと陸前高田にいてほしい」と学生たちに呼びかけた。
 全体討論では、フィールドワークの方法についての質問や、「土地に思い入れのある人に映像を見せてあげたい。泣いて喜ぶ人もいるのでは」という意見も。外国人を民泊させる際のアドバイスを求める声に対しては、「今回の民泊先に英語が話せる人はいなかった。でもみんな楽しんでいる。民泊に言語は必要ない」と、ボディーランゲージと表情、簡単な英単語のみでも気持ちは伝わったことを紹介していた。