まち歩きで魅力再確認、木いく・景観まちづくり連携会議/住田町(別写真あり)

▲ 地元の魅力を再確認したまち歩き=世田米

 住田町教育委員会の景観まちづくり関連プロジェクトと、町が進める木いくプロジェクトの連携による第1回まち歩きサインづくりワークショップは21日、まち家世田米駅などで行われた。参加者は全国各地の先進事例を学んだあと、まち歩きで地元の魅力を再確認。良さを伝える案内のあり方についての意見交換も行った。
 世田米地区は江戸時代、種山峠を越えて気仙郡に入り、世田米宿から白石峠を越えて盛宿に通じる盛街道の宿場町として栄えた。内陸と沿岸を結ぶ重要な役割を果たし、その名残が今も独特の古き良きまち並みとして息づく。
 ともに地域の文化的資源を生かした取り組みを進める教育委員会と、木いくプロジェクトが互いに連携し、景観を生かしたまちづくりを進めようと本年度から連携会議を設置。今回のワークショップには、両組織の関係者と世田米の地域住民約20人が参加した。

蔵の中で行われた事例紹介=同

蔵の中で行われた事例紹介=同

 まち家内の蔵では、これまで景観まちづくり事業で講師役を務めてきた福岡大学の柴田久教授が、長崎県五島列島北部の小値賀町で進められてきた住民参加型の取り組みを紹介。引き続き、学識経験者として「木いく」にかかわるナグモデザイン事務所の南雲勝志代表が自らが手がけた事例を示し、景観に調和したさりげない案内表示などについてヒントを発信した。
 3グループによるまち歩きでは、世田米の蔵並みや古民家などが織りなす景観の奥深さを再確認。その後は、まち歩きコースや案内表示、地名紹介など「サイン」のあり方に関して検討を行った。
 商店街沿いは細長い形状の家屋が多く、その構造を感じることができるルート設定が話題に。ベンチを設置するなど来訪者に対しての心づかいや、役場前をはじめまち歩きの起点となりやすい地点での「総合案内」の必要性についても意見交換が行われた。
 また、商店街や気仙川沿いへの誘導に加え、蔵並みが続く通りに新たな名称をつけるといったアイデアも。参加者は世田米の魅力を伝える案内ルートを考えながら、景観への関心を高めていた。
 次回の取り組みは10月に予定。風景に調和した表示物や案内・回遊ルートについて考えるワークショップを重ね、「住田らしいサイン」の試作品づくりにつなげる。