学校統合の可否検討へ、越喜来で初の協議会/大船渡市(別写真あり)

▲ 越喜来地区学校統合協議会が中学校統合に関する検討を開始=三陸公民館

 大船渡市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、学校統合の可否を協議する「学校統合協議会」が16日夜、越喜来地区に設置された。市教育委員会が提案する越喜来中と他校との統合案に関し、初回会合ではこれまでの経過やPTAによるアンケート結果を確認し、今後の進め方などを検討。次回から、統合の可否を巡る本格的な話し合いを進めていく。

 

対象6地区に設置 


 市教委は市内小中学校の適正規模・適正配置に関する取り組みを実践的に進めようと、今年2月に基本計画を策定。5~8月には地域住民、保護者、地区代表者を対象にした説明会を各地で行い、計画の概要や統合の組み合わせを示し、出席者らと意見を交換してきた。
 学校統合協議会の設置は、説明会の次の段階に位置付けるもの。統合対象校を有する越喜来、末崎、大船渡、日頃市、綾里、吉浜の6地区で立ち上げ、協議会の中で統合の可否を決めることとなる。
 第1号となった越喜来では、地区公民館長、小中学校PTA役員、こども園保護者会役員、同館運営委、復興委員会委員長の22人で協議会を構成。三陸公民館で開かれた初回会合には、委員17人と小松伸也教育長、志田努学校統合推進室長らが出席。オブザーバーとして地元の市議と小中学校の校長、副校長も同席した。
 委嘱状交付と小松教育長のあいさつに続き、志田室長が協議会の設置要綱や基本計画の概要、越喜来地区におけるこれまでの経過を説明した。
 この中では、越喜来小、中のPTAが実施した越喜来中の統合に関するアンケート結果も紹介。アンケートには、小学校のPTA会員60人中57人(回収率95・0%)、中学校は会員47人のうち小学校と重複する6人を除く41人中31人(同75・6%)が回答した。
 統合に賛成と答えたのは、小学校が53人(93・0%)、中学校が22人(71・0%)で、合計75人(85・2%)。反対は小学校4人(7・0%)、中学校9人(29・0%)、合計13人(14・8%)だった。
 統合先では、第一中が小中合わせて50人(66・7%)、吉浜中が19人(25・3%)、その他(三陸町内3校など)は6人(8・0%)となった。
 統合に賛成と答えた人は「早急の統合を」「部活動の選択肢を増やしてほしい」「少しでも生徒数が多い方がいい」などと意見。一方、反対の回答からは「越喜来の伝統を引き継いでほしい」「通学が大変で何かあったときに不便」などの声が寄せられた。
 協議では、会長に鈴木健悦氏(復興委員会委員長)を、副会長に刈谷喜記氏(地区公民館長)を選出。今後の協議の進め方を確認し、市教委側からは統合を想定したスクールバスの運行素案も示された。
 協議会では11月中旬ごろに次回会合を予定し、統合に関する具体的な話を進める計画。結論として「統合せず現状維持」とまとまった場合は協議終了となり、「統合」を選んだ場合は相手先の学区と合同協議会を設置し、統合の方式や時期を話し合う段階に移る。
 小松教育長は「協議会が立ち上がり、統合するかしないかの最終的な結論を出すこととなる。地域の方々がしっかりした判断を示せるよう、教委として丁寧な説明に徹していきたい」と話していた。