子どもに〝心の栄養〟を、関西の団体が卓球指導や食育講演/大船渡市(別写真あり)

▲ 卓球選手らから小中高生が技を学んだ「夢授業」=大船渡市民体育館

講演で保護者らがスポーツ食について理解を深めた=同

 スポーツや食育のイベント「東北『絆』こどもプロジェクトin大船渡2017」は23日、大船渡市盛町の市民体育館で開かれた。関西で活動する団体が、東日本大震災の被災地を応援しようと開催。地域の子どもたちが多く参加し、卓球指導やスポーツ食についての講演、妖怪コーナーなど盛りだくさんの内容で〝心の栄養〟を蓄えた。
 このイベントは、一般社団法人・卓球ジュニアサポートジャパン(村上恭和代表理事、大阪府)と、アスリート向けスポーツ食の開発などを行っている㈱ワンラブコーポレーション(稲垣雅之代表取締役、京都府)の社員らでつくる「絆」こどもプロジェクト実行委員会が共催。
 同社は、全日本卓球女子元代表監督の村上代表理事が代表を務める関西のジュニアアシスト卓球アカデミーの保護者が設立。本県では、スポーツ選手の食を支える農園の開設やレシピ「気愛めし」の普及などを行い、スポーツと食両面の経験を生かした地域貢献を展開している。
 今回は、被災地への支援に対し共感を得た同社と同法人がコラボ。地域に元気を届ける子どもが主役のイベントを構想し、実現へ準備を進めてきた。
 この日は、気仙管内の小中高生ら150人余りが参加し、保護者らも多数来場。会場には、村上代表理事や卓球選手による実技指導「夢授業」のほか、専門家による食育の講演、メニュー提供、子どもに人気の「妖怪」関係のコーナーなどが設けられた。
 アリーナで行われた開会セレモニーでは、村上代表理事が監修した幼児向けの卓球台「こども卓球台」の贈呈式を実施。同法人と大阪のロート製薬㈱からの支援で、大船渡、明和、蛸ノ浦各保育園に贈られることが伝えられた。
 村上代表理事は「小さいころから卓球を始めると、動体視力が鍛えられる。これを機に卓球を始め、練習や成長の喜びを感じてもらいたい」とあいさつ。来賓の戸田公明市長が感謝を述べ、ロート製薬のジュネジャ・レカ・ラジュ取締役副社長も卓球台の活用を呼びかけた。
 式後は、村上代表理事と、同法人専務理事で立命館大学卓球部監督の川面創さんによる「夢授業」を実施。中学卓球界の強豪選手・稲垣美帆さんらも加わって技術指導を行い、参加した小中高生らと交流した。
 大船渡中卓球部の新沼夕茉さん(1年)は「フォアハンドやバックハンドの動き方などを教えてもらい、とても参考になった。部活でも練習したい」と笑顔をみせた。
 その後、アスリート食についての講演で、森永製菓㈱のウイダートレーニングラボ管理栄養士・細野恵美さんや、日本体育協会公認スポーツ栄養士・臼井名津子さんらが登場。プロのアスリートが普段食で気をつけていることや、岩手産食材の魅力について語った。
 一方、多目的ホールでは、気仙各地の小中学生から募ったオリジナルの妖怪のイラスト約1600枚の掲示や、京都の子どもたちから預かったダンボールアートの飾り、お化け屋敷などの場が設けられた。イラストは6作品に賞がつけられ、表彰式も行われた。
 稲垣代表取締役は「イベントは今後も続けたい。子どもたちが元気になり、そこから地域に夢や希望を持ってもらえるようなきっかけになれば」と話していた。