神戸から東北へ記憶つなぐ、復興支援イベント「アクション7」 初開催/大船渡(別写真あり)

▲ 阪神淡路大震災の発生日に合わせ、防災ワークショップなどを展開=キャッセン大船渡

 大和リース㈱(本社・大阪府大阪市、森田俊作代表取締役社長)による被災地復興支援イベント「Action(アクション)7神戸から東北へ」は17日、大船渡市大船渡町のキャッセンモール&パティオなどで開かれた。23年前の阪神淡路大震災と東日本大震災の被災地を結ぶ催しで、大船渡での開催は初めて。防災ワークショップや神戸出身のアーティストによるライブなどが行われ、参加者らはそれぞれの震災の記憶を振り返り、希望とともに次の世代へとつないでいく思いを新たにした。

 

希望とともに次世代へ

 

 同社では「スマイルアクション」として、全国で管理運営する商業施設で社会貢献・地域貢献活動を実施。東日本大震災後の平成24年からは、被災地の復興支援を目的とした「アクションイベント」を開催しており、今年で7回目を迎えた。
 今回は「東北を味わう」をテーマに、2月4日(日)〜3月18日(日)まで、同社が運営する全国の13商業施設で東北の物産展と企業紹介パネル展を企画。大船渡でのイベントはこの第1弾となり、阪神淡路大震災の発生日に合わせ、同社がエリアマネジメント・パートナーとして参画するキャッセン大船渡の商業施設で開いた。
 このうち、防災ワークショップ「震災に強いまちづくりへ」には大船渡市日本赤十字奉仕団などから16人が参加。大船渡町の防災士・新沼真弓さん(44)が講師を務め、新聞紙を活用した食器やスリッパの作り方と、ポリ袋を使った炊飯、カレーの調理法を伝授した。
 新沼さんは日ごろから身の回りにあるものを工夫し、活用する必要性に言及。「二つの震災を忘れず、防災意識を高めて日常生活にも生かしてほしい」と呼びかけた。
 2人の子どもと参加した加藤真由美さん(32)=陸前高田市広田町=は「子どもでも簡単に作ることができ、楽しそうで良かった。子どもたちに震災のことを伝えなければならないという思いはある。もう少し大きくなったら、阪神淡路大震災のことなども教えていきたい」と話していた。
 イベントでは、神戸出身のアコースティックデュオ「にこいち」によるライブや、牛すじとこんにゃくを甘辛く炊いた神戸B級グルメ「ぼっかけ」を使った焼きそばのふるまい、神戸のお取り寄せグルメが当たる抽選会も実施。
 にこいちは東北での初ライブとなり、オリジナル曲の『今日も風が吹く』や『故郷』などを熱唱。曲間では、自ら体験した阪神淡路大震災の記憶にもふれた。
 井指冬輝さん(30)は「こちらの方々はこれまで頑張ってこられた人たちばかり。少しでも楽しい時間や、あしたからまた頑張ろうと感じてもらえればとの思いを歌に込めた」と、松田央さん(30)は「これから東北へ何回も足を運び、音楽を届けていきたい」と話し、東北との絆を深めていく思いを強くした。
 大和リース運営企画部PM企画課の野村恵さん(45)は「地元の方々もそれぞれの震災に関心を持つ機会となったと思う。今後もイベントを通じ、風化の防止にもなれば」と話していた。東日本大震災から7年を迎える3月11日(日)には、神戸で東北の芸能をテーマにしたイベントが開かれる。