SL銀河 期待乗せて、試運転で上有住駅に停車/住田(動画、別写真あり)

▲ 21日からの本格運行を前に試運転を行うSL銀河=上有住駅

21日から本格運行

 

 JR東日本による釜石線(花巻―釜石間)での「SL銀河」運行は、21日(土)から始まる。本格運行を前にした試運転が10、11の両日行われ、気仙唯一の停車駅である住田町の上有住駅にも勇姿を見せ、本格的な春の訪れを告げた。
 SL銀河は、宮沢賢治作品「銀河鉄道の夜」をモチーフに改修した機関車と4両編成の旅客車で構成し、定員176人。平成26年4月にデビューした。全国の鉄道ファンらの人気を集め、沿線の観光振興に貢献している。
 観光面からの復興支援と地域活性化に向け、釜石線で運行。5年目となる今年も、釜石線で土、日曜日、祝日を中心に運行する。
 10日は花巻から釜石方面、11日は釜石から花巻方面に向けて試運転が行われた。上有住駅には約半年ぶりの停車。11日は正午近くに、山あいのホームにゆっくりと姿を見せた。
 数分間停車し、安全確認などが行われたあとは大きな汽笛の音とともに発車。黒煙や蒸気をあげ、まだ冬の寒さが残る山間部を駆け抜けていった。
 鉄道ファンの間では、上有住駅周辺は黒煙をあげて走行するSL車両を真正面から撮影できる地点として知られる。到着時には駅周辺に約40人が詰めかけ、一瞬の迫力を収めようとカメラを構えた。
 宮古市から訪れた前川悦子さん(70)は「上有住では初めてみたが、煙突からの煙だけでなく、下からの蒸気も迫力があった」と話し、笑顔をみせていた。
 運行は現段階で9月末までとしており、通常、土曜日が下り(釜石行き)、日曜日が上り(花巻行き)として1日1本、2日間で1往復する。停車するのは花巻、新花巻、土沢、宮守、遠野、上有住、陸中大橋、釜石の8駅。
 下りは花巻を午前10時37分に出発し、上有住到着時刻は午後2時15分。上りは釜石を午前10時55分に出発し、上有住到着は午前11時55分となっている。
 各駅では運行スタートの21、22の両日、地元住民や自治体、観光関係者らが歓迎。上有住駅では、初日の下り列車到着時間に合わせ、五葉山火縄銃鉄砲隊や町のPRキャラクター・すみっこらが乗客を出迎える。
 乗車は全席指定。乗車区間の乗車券のほか、指定席券(大人820円、子ども410円)が必要。指定券は乗車日1カ月前から、駅の窓口やびゅうプラザなどで販売する。