盆時期前にスッキリ、中高生が高齢者宅で清掃活動/住田(別写真あり)

▲ ガラスを丁寧にふき上げる生徒たち=世田米

 住田町内で27日、住田高生と世田米中生が自主的に参加した「すみたおたすけ隊」の活動が行われた。「おだげぁさまのまちづくり」と記されたビブスを着用した生徒たちは、高齢者宅でガラス拭き作業などに従事。来客が増えるお盆時期を前に気にかけていた高齢者は、未来を担う中高生の活躍に目を細めていた。

 

 「おだげぁさまのまちづくり」

 

 町社協と町ボランティア連絡協による活動で、平成27年にスタート。以降、夏休みと冬休みに合わせて行われ、高齢者からのニーズも高まっているという。今回は、両校生徒や社協、同連絡協の関係者ら計約30人が参加した。
 6グループに分かれ、一人暮らしや高齢夫婦だけが暮らす住宅を訪問。このうち、世田米下大股の遠藤國士さん(90)宅には、世田米中生4人が訪れた。
 山あいの高台に構える遠藤さん宅は昔ながらの構造で、縁側に沿って多くのガラスサッシが連なる。生徒たちは1枚ずつ丁寧にふき上げたほか、レール部分にたまったほこりも見逃さず、地道に手を動かした。
 活動を見守っていた妻のクマエさん(85)は「近所に住む人たちやきょうだいも年をとり、なかなか頼むことができない。きょうは高いところもきれいにしてくれて、本当に助かる」と語り、感謝を込めていた。
 この日は青空が広がり、気温も上昇。熱中症対策として、作業30分ごとに休憩時間が設けられた。軒下では、だんごなどの〝こびる〟(気仙地方でいう「軽食」)が振る舞われ、生徒たちは達成感を味わいながら住民らとなごやかに交流を深めた。
 初めて参加した3年生の村上葵さん(15)は「今までは部活動があったので、なかなか時間をつくることができなかった。一人では危険な作業が多く、地域に必要とされている活動ということを改めて学んだ」と笑顔。
 3回目の活動となった2年生の畠山徳輝君(13)は「高齢者の方々と積極的に交流しようと参加している。ワイパーを使って窓の汚れをとった時に、やりがいを感じた。みんなで楽しくできたので良かった」と話していた。