熱気に沸く「海の祭典」、メーン行事にぎわう/三陸・大船渡夏まつり

▲ 「三陸・大船渡夏まつり」の2日目はメーンとなる市民道中踊りなどが繰り広げられた=大船渡市魚市場

 大船渡市の夏を代表する催し「三陸・大船渡夏まつり」(同実行委員会主催)は2日目の4日、大船渡町の大船渡市魚市場を主会場にメーン行事が行われた。まつりの目玉となる道中踊りや花火大会、新企画のさんま船模擬操業などが繰り広げられ、「海の祭典」は人々の熱気に沸いた。まつりでは、東日本大震災からの復興へと歩む姿を発信し、さらなる地域発展にも誓いを新たにした。

 

復興、地域発展へ誓い新た

 

 「海の祭典」とも呼ばれ、海のまち・大船渡の夏を熱く盛り上げるイベントとして親しまれている同まつり。震災前に会場となっていた大船渡駅周辺地区は復興まちづくりが進んでいるが、実行委(委員長・齊藤俊明観光物産協会長)では海沿いの復旧・復興工事との兼ね合いや、来場者の安全確保などを考慮し、今年も主会場を魚市場とした。
 今年は3日、海上七夕船団による湾内巡航で幕開け。2日目の4日は、夏らしい天候と暑さのもとでメーン行事が盛大に繰り広げられた。
 魚市場南側岸壁に接岸した大船渡丸特設ステージでは、地元出身や大船渡にゆかりある歌手、団体9組が余興を展開。それぞれ復興加速への思いを重ねながら、華やかなステージを披露した。
 開催式などをはさみ、午後6時からはメーンとなる道中踊りがスタート。今年は市内外の21団体、約1200人が参加した。踊り手たちはそろいの浴衣やはっぴなどに身を包み、『気仙甚句囃子』と『おおふなと椿音頭』を披露。会場では笛や太鼓の音が鳴り響き、まつりは最高潮を迎えた。
 会場が夕闇に包まれるころには、港湾道路や魚市場2階駐車場に設けられた夢あかり、走馬灯が点灯。柔らかな光の数々が生まれ、人々を幻想的な世界へ誘った。
 フィナーレを飾ったのは、恒例の花火大会。大船渡湾内の台船から打ち上げられた8000発の花火が、夜空を美しく彩った。
 花火前半では、今回初めて企画された「市内さんま船による模擬操業披露」も。市内の大型さんま船3隻が集魚灯を点灯し、大船渡港が本州一の水揚げを誇るサンマ漁の一端を紹介した。
 その後、中盤には市民協賛花火「ウルトラスーパージャンボスターマイン」も打ち上げられ、新たなイルミネーションで装飾された海上七夕船団やさんま船と競演。人々は空を見上げ、次々と描かれる光の大輪に一日も早い復興を願った。
 大船渡駅周辺地区内のキャッセン大船渡、おおふなと夢商店街では、関連イベントを開催。
 キャッセンでは大船渡青年会議所による「復興グルメフェスティバルFINAL」が開かれ、気仙の14店舗が地場産品を使った自慢のメニューを提供し、来場者の投票でグランプリを決定した。おまつりこども縁日やステージイベント、せんべろ横丁なども行われ、世代を超えた人々でにぎわった。
 夢商店街では、軽食販売や輪投げ、射的などのまつり気分が味わえる「屋台村」が開設され、こちらも多くの人々が来場。フラ ハウオリによるフラダンス、大船渡商工会議所女性会の太鼓演奏も好評を博した。