「竹の藍傘」で彩りを、東京理大生が制作 きょう設置へ/住田

▲ 学生たちによる竹の加工作業=世田米

藍染めの準備作業では小学生と交流=同

 住田町下有住の生涯スポーツセンターで8日、東京理科大学(本部・東京都)の学生と町内の子どもたちが協力して制作した「竹の藍傘(あいがさ)」が設置される。7日まで竹材の加工や布の藍染めなど、地道な作業を重ねてきた。学生たちは手づくりの彩りが並ぶ光景に、地域活性化や人々の交流促進などへの期待を込める。
 東京理科大学から訪れているのは、建築学科の大学生、大学院生計15人。昨年まで5年間にわたり陸前高田市での「竹のワークショップ」に参画してきた学生有志が参加を呼びかけ、4〜9日の日程で滞在している。
 「住田を飾る」をテーマとし、町内で比較的手に入りやすい資源を活用しながら住民らと交流を深め、地域に活気を呼び込もうと活動。6日は世田米の町生活改善センターで切り出してきた竹の加工や、藍染め作業に向けた準備が行われた。
 竹の藍傘は、高さ3㍍。藍染めを施した布は、竹を細く切った〝骨〟につるす。竹の加工作業では、学生たちがなたを手に奮闘。柱と骨は麻ひもで結びつけるなど、地道な手作業を続けた。
 一方、藍染めの準備作業には、世田米学童クラブを利用する小学生が参加。「わっかしぼり」は大小のボールを布でくるんだほか、「いたじめしぼり」では2本のわりばしでたたんだ布を挟んだあと、輪ゴムでしばった。
 大学院修士2年の小川将貴さん(24)は「子どもの豊かな感性に、自分たちも刺激を受けることができた。多くの人に、彩りを楽しんでもらえれば」と話していた。
 藍傘を設置する8日は午後3時から、同センターで「下有住夕涼会」が開催される。活動当初は世田米商店街での設置も計画していたが、悪天候が予想されることから、当日に判断する。