現地に赴き 感謝伝える、大高定時制の伊勢教諭がオーストリアの音楽学校訪問
平成31年2月15日付 7面
県立大船渡高校定時制教諭の伊勢勤子さんがこのほど、同校定時制が支援を受けているオーストリア・ウィーン郊外の音楽学校を訪問した。この学校でバイオリンを指導している元同僚の下斗米千寿子さん=二戸市出身=や生徒に直接お礼を、との思いから現地に赴いたもの。音楽学校では継続的な支援に感謝を示し、海を越えてつながった絆を生徒らと確かめ合った。
震災後、復興支援を継続
伊勢さんと下斗米さんは平成3年、ともに当時の岩泉高校田野畑校で勤務。その後、下斗米さんはバイオリニストになる夢を追い、教職を辞してオーストリアのウィーン市立音楽院に留学し、バイオリン演奏家コース、教育科を卒業。現在はバイオリニストとして活動するかたわら、ウィーンから約50㌔離れた小さな村・ラーベンタールの音楽学校などで後進を指導している。
平成23年の震災発生当時、伊勢さんは陸前高田市の県立高田高校に勤務。震災発生を受け、下斗米さんは音楽学校で復興支援チャリティー演奏会を開催し、被災地に贈るための義援金を募った。
下斗米さんは同年一時帰国し、伊勢さんを通じて高田高校に義援金を贈った。
以来、毎年チャリティー演奏会を開催し、帰国の際、伊勢さんに義援金を寄託。これまでに、大船渡高校定時制に3回、高田高校に2回、義援金が贈られており、その総額は20万円ほどになるという。
伊勢さんは今回、こうした支援活動への感謝の気持ちを、下斗米さんや生徒らに直接会って伝えようと、今年1回目のチャリティー演奏会に合わせて音楽学校を訪問した。
演奏会で伊勢さんは、ベートーベン作曲の『ミサ・ソレムニス』の冒頭に書かれている詩をドイツ語と、「心より出で願わくば再び心へ至らんことを」という日本語訳で揮毫(きごう)した年賀状、奇跡の一本松の絵入りバイオリン型バッジを生徒やその家族らにプレゼント。下斗米さんと生徒からは、唱歌『ふるさと』の演奏という心温まるプレゼントが贈られたという。
演奏後、伊勢さんは継続的な支援に対してドイツ語で謝辞を述べるとともに、陸前高田市の被災状況や現況、大船渡高定時制の生徒たちの様子などを紹介した。
定時制の生徒たちは現在、支援への感謝の気持ちを伝えようとお礼の色紙などを準備しているという。
伊勢さんは「震災から8年がたとうとする中で、継続的に被災地に心を寄せてくれているのは本当にありがたい。これからも交流を続けていければ」と話している。





