3月に春呼び祭、大学と市民が共同で企画/陸前高田

 陸前高田市米崎町の旧米崎中を利用したコミュニティー施設「陸前高田グローバルキャンパス」で3月16(土)、17(日)の両日、さまざまな大学の学生らが市民とともにつくり上げるイベント「春呼び祭」が初開催される。豪華かつ多彩な企画を通じて地域住民の来場を促し、東日本大震災発生後に生まれた全国の大学と陸前高田との結びつきをより強めていこうという狙いがある。


つながりはぐくむ場に/グローバルキャンパスで

 

 グローバルキャンパスは平成29年4月、立教大学(東京都豊島区、郭洋春総長)と岩手大学(盛岡市、岩渕明学長)が、国内外の学生や研究者、行政関係者の研修・研究拠点として、また市民と外部の人たちが出会うためのコミュニティー施設として共同で開設。ワークショップルームや会議室をはじめ、講義室、シェアラボ(研究室)、ラウンジ(フリースペース)などが設けられ、地域住民による各種イベント会場としても広く利用されている。
 一昨年、昨年には「震災後に陸前高田とかかわるようになった大学が、今後も陸前高田へ通い続けられるように」という思いから、これまで個別に活動していた大学同士の連携促進、被災地と外部との関係の深化を狙いに、同市で「大学シンポジウム」を開催。各大学と市民団体の取り組みや研究成果を行った。
 今回の「春呼び祭」はそこから一歩踏み込み、市民と大学生、大学関係者の交流をさらに深めることや、イベント後の関係継続を期して開催。交流プログラムや展示、ステージパフォーマンス企画、飲食物販ブースの開設などを通して、多くの市民と大学生・大学関係者がふれあう機会とする。
 イベントを主催する実行委員会(実行委員長・五味壮平岩手大教授)は、学生と教職員、市民らで組織。市民が気軽に来場しやすいようにと、2日間にわたる盛りだくさんのプログラムを企画したほか、市内の団体、グループによる踊りや歌、作品展といった自主企画も募集し、地元が主体的にかかわる仕組みもつくった。
 両日は、立教大出身のフリーアナウンサー・古舘伊知郎さんによるトークライブ、アカペラグループ「りくラッツ」と市内中学生によるセッション、フォトジャーナリスト安田菜津紀さんによる写真展と中高生、大学生とのジャムセッション、歌手の伴真純さん、ピアニストの浅見陽子さんの演奏にフラダンスを加えた「楽しく歌おう!」のコーナーなど、ゲストによる多彩な催しが繰り広げられる。同キャンパスそばにある「朝日のあたる家」では、海外オーケストラとの共演経験も豊富なピアニスト・戸口純さんらによるコンサートも開かれる。
 また、岩手大学OB・OGによる美術展、立教大生のよさこい、安田さんや学生による写真展、工作教室、地元の特産品や焼きそば、農産物などの飲食物販ブースなど、子どもから高齢者まで楽しめる企画も豊富。防災展とワークショップも行われ、改めて災害に対する備えについても啓発する。
 五味委員長(51)は「現時点で100人を超える大学生が参加することになっている。2日間を通じてお互いの顔と名前が一致し、学生と市民の皆さん双方が『また来たい』『また会いたい』と思ってもらえるようなイベントになれば」と願う。
 当日は米崎町のイオンスーパーセンター、コメリホームセンター内に設ける春呼び祭指定駐車場の利用を呼びかけ。市コミュニティホール、アバッセたかた、イオンスーパーセンターを経由する送迎車両も運行する。イベントはすべて入場無料。
 プログラム、送迎車両の運行時間などの詳細は同キャンパス公式サイト(https://rtgc.jp)で確認できる。問い合わせは春呼び祭実行委員会(メール:haruyobi@rtgc.jp)か、同キャンパス事務室(℡47・3901)まで。