9年ぶり「緑の募金」 松原再生願い植樹も 陸前高田・米崎小緑の少年団(動画、別写真あり)

▲ 米崎小児童が「緑の募金」街頭活動

高田松原に植樹も

 陸前高田市立米崎小学校(中村宗宏校長、児童151人)の「緑の少年団」は10日、市内で平成22年4月以来9年ぶりとなる「緑の募金」活動を行った。同校児童はこの日、高田松原での植樹会にも参加。川や海をはぐくむ緑の大切さについて理解を深めるとともに、自分たちが大人になったとき、古里の誇る高田松原のマツや周囲の森が豊かに育っているようにと願った。
 県緑化推進委員会による「緑の募金」は、まちの緑化活動や下草刈り、森林学習支援などに役立てられるもの。県内で集められた募金のうち96%は県内で活用されている。同市では同委員会陸前高田支部(支部長・戸羽太市長、事務局・市農林課)が街頭募金活動を毎年行っていたが、東日本大震災後は休止されていた。
 現在、市内唯一の森林・自然愛護少年団である「米崎緑の少年団」は29年6月に結成。全校児童が所属し、校内の緑化活動や森林を守る牛乳パックリサイクルといった身近な取り組みを展開している。今回、震災後初めて街頭募金が行われるにあたり、4年生児童38人が、高田町のアバッセたかたと市役所の2グループに分かれて市民や職員らに協力を呼びかけた。
 このうち市役所で行われた「出発式」では、岡本雅之副市長が「地震が起きてからずっと募金を休止していたけれど、みんなの力を借りて今年から再開できることになった。緑や川、海を守るためにも一緒に頑張ってほしい」と激励した。
 子どもたちは「緑の募金にご協力をお願いします」と声を張り上げ、手作りのチラシを配布。募金してくれた人には元気にお礼の言葉をかけ、緑の羽根を手渡した。
 また、募金活動に先駆け、同校の全校児童が高田松原での植樹会にも参加。同市のNPO法人高田松原を守る会(鈴木善久理事長)の指導のもと、抵抗性クロマツ80本を植えた。市内の小学校が全校をあげて植樹を行うのは初めてのことといい、同会も「地元の子どもたちにかかわってもらえるのはうれしい」と喜んだ。
 同校4年の菊池郷平君、国分蒼太君、嵐悠莉君はそれぞれ「きょう植樹して、また緑がいっぱいになればいいなと思った」「(以前のような)松原を見たことがないから、いつか再生してほしい」「マツがたくさんある高田松原で海水浴ができるようになってほしい」と話していた。