地域経済担う能力磨く 6人が学びをスタート ビジネスアカデミー 大船渡(別写真あり)

▲ 第3期大船渡ビジネスアカデミーが開講し、初回講義に臨む受講生ら

 大船渡商工会議所(齊藤俊明会頭)主催の「大船渡ビジネスアカデミー」は7日、大船渡市盛町の同会議所で開講した。第3期となった本年度は、地元中小企業の経営者ら6人が受講。同日は開講式と初回のカリキュラムが行われ、受講生らは先輩経営者でもある齊藤会頭の経験談を通じて地元の経済史などに理解を深め、地域経済を担う人材として能力を磨いていくと誓った。アカデミーは11月まで全6回、12日間にわたって展開される。

 

第3期が開講

 

 ビジネスアカデミーは、東日本大震災後から平成28年度までの5期にわたって大船渡などで開かれた「人材育成道場・未来創造塾」を受け継ぐ形で、29年度に開設。震災後の常に変化し続ける市場環境に適応するとともに、将来の地域経済の中核を担う経営人材を育成しようとの狙いがある。第2期までで計20人が修了した。
 今回は、市とオリンピックパラリンピック等経済界協議会が協力。県沿岸広域振興局、国立大学法人岩手大学三陸復興・地域創生推進機構が後援した。
 開講式には、受講生をはじめ来賓、スタッフらが出席。齊藤会頭は「難易度の高い内容になるが、全員が修了するよう期待する。このアカデミーで能力を鍛えて磨き抜き、素晴らしい経営者になってほしい」とあいさつした。
 来賓を代表し、志田努統括監が戸田公明市長からのメッセージを紹介。アカデミーの概要説明、受講生と講師の紹介、講師代表のあいさつが行われた。
 記念撮影を挟み、「地元学」をテーマにした初回講座を実施。さいとう製菓㈱取締役会長でもある齊藤会頭が講師を務め、同社の創立からこれまでの歩みを、市内経済界の動きを交えながら語った。
 この中では、災害や社会情勢の変化などによるさまざまなピンチをチャンスに変えて乗り越えながら、会社を成長させてきた経験を紹介。受講生らに対し、商品開発に対する思い、顧客や取引先とのコミュニケーションの重要性などを訴えた。
 参加者らは、熱心にメモを取りながら聴講。今後の経営や学びを進めていくヒントとしていた。
 ㈲フチガミの渕上洸(たけし)さん(27)は、「業種によってさまざまな強みがあると思うが、アカデミーでは自分の会社の強み、弱みを明確にして、弱点の克服ができればと思っている。最後まで頑張りたい」と話し、気を引き締めていた。
 講座は、11月15日(金)まで全6回(1回あたり2日間)にわたる定期開催プログラム(合計61時間)に加え、必要に応じたグループメンタリング、個別支援相談を随時実施。
 100時間程度をかけて経営に必要な知識を学ぶだけでなく、自らの中期経営計画(骨子)を作成し、最終日に発表も行うこととしている。