種山を包む節目の歓喜 音楽と自然に酔いしれ きょうまで(別写真あり)

▲ KRFは〝常連〟のlocofrankとIN―pishが開幕のステージで共演

 「ケセンロックフェスティバル」(KRF、同実行委主催)は13日、住田町世田米の種山ヶ原イベント広場で始まった。10回目の初日は、9組のアーティストと郷土芸能団体1組が出演。節目を飾る青空が広がる中、県内外から多くの音楽ファンが詰めかけ、種山の自然を満喫しながらステージに酔いしれた。14日はアーティスト10組が出演し、音楽で熱く彩る。

 

ケセンロックフェス開幕

10回目の開催

 

 KRFは、平成20年に大船渡市で開かれた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」が前身。翌21年、22年とKRFとして種山で開催してきた。
 23年は東日本大震災の影響で開催を見合わせたが、24年に復活。地域住民が中心となって実行委組織を運営し、その情熱に早期復興を願う人気アーティストが集結するロックフェスとして定着し、全国的にも人気を集める。
 豊かな緑が広がり、普段は静けさが広がる種山が一変し、人々が飛び跳ね、手を突き上げながら熱気に包まれる2日間が今年も開幕。過去の開催から「KRFは雨」で知られ、前日までぐずついた天気が続いたが、この日は好天に恵まれた。
 開催を心待ちにしていた県内外の音楽ファンは、再訪の喜びを込めて晴れやかな表情で来場。オープニングでは、大船渡市大船渡町の郷土芸能・仰山流笹崎鹿踊の演舞が行われた。
 引き続き、毎年出演を果たしている男性3人組のロックバンド・locofrankが登場。同じく〝常連〟で、女性2人のダンスユニット・IN―pishとの共演もあり、会場を盛り上げた。
 ステージだけでなく、気仙の特産品コーナーや飲食店ブース、物販テントも充実。テントでゆったりと過ごしながら種山の自然を満喫する姿も多く見られたほか、親子連れも目立った。
 大阪府大阪市から訪れた中西美子さん(35)は「スタッフの方々がお客さんと同じように楽しんでいる雰囲気があり、みんながこのフェスを愛していることを実感した」と、笑顔を見せた。
 村上健也実行委員長(51)は「10回目にして、お天気も山も私たちに味方してくれたような感じ。節目に気負うことなく、安全を最優先にしながら来場者を歓迎したい」と語り、訪れた人々が笑顔を交わす光景に目を細めていた。
 14日も午前9時30分開場、同10時30分開演。TILITILIやthe band apartをはじめ、長年にわたり実行委を支えてきたアーティストらがステージに立つ。ボランティアスタッフを含め、2日間で計約5000人の動員が見込まれる。