早期の誘致表明求め、鈴木自民総務会長へ陳情 気仙広域ILC推進会

▲ 鈴木総務会長(中央)に陳情書を手渡す気仙広域ILC推進会の藤原会長と役員ら

 気仙2市1町の商工業者らでつくり、国際リニアコライダー(ILC)の誘致活動を展開する気仙広域ILC推進会(藤原良信会長)は20日、東京都千代田区の自民党本部を訪ね、岩手2区選出で同党総務会長の鈴木俊一衆議院議員に、早期の誘致表明を政府に働き掛けるよう訴えた。

 

 素粒子実験施設のILCは、地下トンネル内に超大型加速器を設置し、電子と陽電子を衝突させてビッグバン直後の状態をつくり、物質の根源などを研究しようとのもので、岩手と宮城の両県にまたがる北上山地が有力な建設候補地となっている。
 建設とその後の運用は、東日本大震災からの復興や地域の持続的発展に大きな効果をもたらすとして産学官連携の誘致活動が活発になる一方で、7000〜8000億円ほどと試算される事業費の各国負担のあり方も課題に挙げられ、政府の判断が問われている。
 こうした中、気仙広域ILC推進会は今年5月、誘致に向けた民間の機運を高めようと結成。整備資機材荷揚げでの港湾利活用をはじめ、産業振興拠点として気仙全体が発展を遂げる将来像を共有しながら、勉強会や要望活動に臨んでいる。
 鈴木議員は今年9月、自民党の常設の最高意思決定機関である総務会の会長に就いた。この日の陳情には同会から藤原会長、米谷春夫、細川廣行、橋爪博志、山崎和彦各副会長、中嶋豊幹事長が参加したほか、谷村邦久県商工会議所連合会長と佐々木淳県ILC推進局長が同行した。
 藤原会長は鈴木議員に陳情書を手渡し、「ぜひ国として速やかに誘致を決定していただきたい。大船渡が資機材の荷揚げ場所となれば、地域の振興と岩手の発展につながる」と、総理大臣や財務大臣への働き掛けを求めた。
 これを受け、鈴木議員は「思いは一つ。ぜひILCを岩手に誘致したい」と述べた。