台風19号の災害査定始まる 早期復旧へ、現地調査 大船渡市赤崎町で実施 国交省

▲ 合足川の被害範囲などを確認

 先月襲来した台風19号によって甚大な被害を受けた本県で19日、国交省による公共土木施設被害の災害査定が始まった。本復旧にかかる費用算定や、工法が妥当かを確認するもので、同日は国交省と東北財務局の担当者が大船渡市入り。赤崎町の合足川で、県の担当者から被害や復旧工事の説明を受けた。今後、県内各地で査定が行われ、年度内の査定完了を見込む。

 先月13日未明から明け方にかけて気仙に最接近した大型の台風19号。大雨と暴風は各地で土砂崩れや冠水、住宅の浸水被害などをもたらし、大船渡市ではけが人も出た。
 県によると、公共土木施設の被害が確認されたのは大船渡、陸前高田両市を含む9市9町4村の合わせて1011カ所(11月8日現在)。
 被害額は、県管理の道路が104カ所で33億2400万円、河川が97カ所で28億500万円など、市町村管理の道路が553カ所で140億2900万円、河川が227カ所で47億4000万円など。このほか、砂防、橋りょう、港湾、公園、下水道などを合わせ、県・市町村の被害額は合計で261億2900万円となっている。
 今回の災害査定は「公共土木施設災害復旧事業国庫負担法」にもとづくもので、今月12日に宮城や福島などで始まった。
 本県での1回目の査定は19日から21日にかけ、大船渡市5カ所と一関市1カ所で実施される。
 このうち、大船渡市赤崎町の県管理二級河川・合足川では19日午後に査定が行われた。国交省と東北財務局職員が現地入りし、県の担当職員から被害範囲や復旧工法などの聞き取りを行った。
 合足川は、台風の影響によって延長73㍍にわたって護岸が崩落し、削れた場所に土砂が堆積。川の流速が増して護岸が削られたことが崩落の原因となったことから、復旧工事ではコンクリートブロック積を用いて被災原因を取り除く。
 国交省では12月中旬以降、県の施設から災害査定を進めていく。台風19号による被害は広範囲におよぶことから年内での査定完了は難しく、本年度内での完了を見込む。
 国交省防災課の中田悌二災害査定官は「一日も早い復旧に向け、スピード感を持って査定していく。県内市町村と協力し、できることをサポートしていきたい」と話している。