ケセンロックフェスティバル 今年の開催見送り 来年の実施は〝約束〟

▲ 種山を舞台に開催を続けてきたKRF(写真は昨年の様子)

 ケセンロックフェスティバル実行委員会(村上健也実行委員長、KRF)は14日、ホームページ上で今年の開催見送りを発表した。毎年7月に住田町世田米の種山ヶ原イベント広場を舞台とし、自然を満喫しながら音楽に酔いしれるイベントとして定着。昨年10回目の節目を迎えた中、さらなる飛躍に向けた〝助走期間〟を設ける。今後は、気仙3市町での持ち回り開催も見据えながら調整に動くなど、来年の開催に向けた準備を重ねる。

 

ホームページ上で発表
3市町持ち回りなど検討へ

 

 KRFは、国内外で活躍する著名なアーティストらが集う音楽の祭典。平成20年に大船渡市で開いた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」を前身とし、翌21年に種山で初開催した。
 東日本大震災に襲われた23年は断念したものの、24年の復活後は毎年実施。実行委を構成する気仙の住民が中心となって地道に準備を進め、そのひたむきな頑張りや気仙の復興を後押ししようと、人気アーティストが集結するロックフェスとして定着した。
 毎年、軽食販売や各種催事も人気。実行委は豊かな森林に囲まれた種山で手づくり感あふれる迫力の舞台を整え、県内外の音楽ファンを魅了してきた。
 節目となる10回目の昨年は、7月13、14の両日に開催。総勢約20組のアーティストと郷土芸能団体が出演した中、ボランティアスタッフを含め2日間で延べ約5000人が訪れた。
 実行委員会は、14日正午にホームページを更新。昨年の開催に感謝を示したうえで「次年度開催について協議を重ねた結果、さらなる高みを目指すためにも十分な準備期間が必要と判断し、2020年度は開催しない、という結論に至った」と発表した。
 さらに「決して後ろ向きな意思からではなく、新たなステージへ向けた熱い思いからの決断。10回目の節目を終えた私たちは、いつもよりちょっと長い〝助走距離〟をいただき『KRF21』の開催に向けて全力でまい進する」としている。
 気仙両市では東日本大震災の復興事業が進み、被災した沿岸部でも多くの集客が可能な施設や避難路などが整いつつある。実行委関係者によると、今後は種山のみならず、両市を含めた持ち回り開催も検討するという。
 今年も実行委自体は活動を続け、新たなメンバーも受け入れながら来年以降の開催に向けて調整を続ける。
 村上実行委員長は「今回は、新たな飛躍を目指すための〝助走期間〟。より高みを目指していく時に、震災前からの初心に戻り、気仙3市町での持ち回り開催も見据えながら動きたい。今年も(大船渡市大船渡町の)ケセンロックフリークスで昨年から行っているイベント『Linkage(リンケージ)』は、継続して企画していきたい」と話している。