傷病者搬送の手順確認 大船渡病院で初 海保がヘリの離着陸訓練(別写真あり)

▲ ヘリコプターから傷病者を搬送する海保関係者ら

 第二管区海上保安本部は23日、大船渡市大船渡町の県立大船渡病院のヘリポートで、ヘリコプターの離着陸訓練を行った。同病院での実施は今回初めてで、参加した海保、病院、消防関係者らが、洋上から傷病者を迅速に医療機関へ搬送するための手順や心構えを確認した。
 訓練は、洋上の船舶で傷病者が発生した際、適切に患者を医療機関へ搬送できるよう備えることが目的。現在、県内沿岸の病院でヘリポートがあるのは大船渡病院のみで、傷病者を海上からいち早く搬送するため、訓練の実施が望まれていた。
 訓練には同保安本部や釜石海保、同病院、大船渡地区消防組合消防本部などの関係者約30人が参加。
 岩手沿岸沖で傷病者が発生したという想定で、同保安本部仙台航空基地所属のヘリコプター「うみすずめ」が出動。北東方面から同病院に向かいヘリポートに降りると、搭乗の機動救難士らが傷病者を素早くヘリポート出口へと搬送した。
 離陸までの時間には、同消防本部職員らがヘリコプター内を見学し、救命救助に関わる知識を蓄えた。
 同基地に所属する海谷(かいや)雄一機動救難士(34)は「陸上に比べ、海上の救急活動は搬送時間が長くなるのが特徴。傷病者のためにも、いち早く医療機関に搬送できるよう努めていきたい」と話していた。