県実行委枠の75人決定 オリンピックの聖火リレー 佐々木さん(住田)ら追加

佐々木さん

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、オリンピックの聖火リレー(3月26日〜7月24日)の追加内定者を発表した。岩手県実行委選出枠のうち、気仙在住者では住田町体育協会事務局長の佐々木豊秋さん(70)=同町上有住=が加わったほか、平成4年のバルセロナオリンピックに出場した大船渡高校出身の栗生澤淳一さん(55)=広島県広島市在住=も選ばれた。これにより、県実行委選出枠75人すべてのランナーが決まった。

 

栗生澤淳一さん(大船渡高出身)も

 

 「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」をコンセプトに掲げる東京オリンピックの聖火リレーは、3月26日に福島県をスタートし、121日間で47都道府県を巡る。県内は6月17〜19日の3日間、28市町村の264区間(52・16㌔)で運ぶ。
 気仙では18日を予定し、大船渡市が「夢海公園―サン・アンドレス公園」、陸前高田市が「奇跡の一本松―アバッセたかた」というルート。アバッセたかたでは、セレブレーション会場として聖火到着を祝うイベントが行われる。
 昨年12月には県実行委選出枠の1次発表があり、気仙からは、大船渡市のNPO法人・さんりくWELLNESS理事長の熊谷侑希さん(35)、陸前高田市立高田第一中学校2年の清水祐真君、住田町立世田米中学校2年の大和田海雅君の3人が選ばれた。また、パートナー企業が一般公募したランナーとして、陸前高田市米崎町の金野拓翔君(米崎小6年)らも走る。
 追加発表で選ばれた佐々木さんは、東日本大震災発災前年の平成22年から町運動公園野球場や社会体育館の管理責任者となった。野球場は震災以降、気仙両市の被災や仮設住宅建設に伴い、高校球児や野球愛好者の利用が増加した。
 佐々木さんは、震災の後方支援に尽くした住田町がルートから外れたことには「残念に思う」としながらも「震災直後は、グラウンドがない球児に、とにかく思い切りよく野球をやらせたい思いでいっぱいだった。当時の感情を振り返りながら走りたい」と話す。
 元バレーボール全日本代表の栗生澤さんは大船渡高校から中央大学に進み、社会人のJTサンダーズで活躍。全日本では、平成4年のバルセロナオリンピックなどに出場した。市内では、栗生澤さんを顕彰する大会が開催されている
 聖火はオリンピック発祥の地・ギリシャで採火。大会組織委では、リレーに先立つ3月に岩手、宮城、福島の被災3県で「復興の火」として巡回展示する。気仙では3月22日(日)午後1時57分から2時7分まで住田町の上有住駅、23日(月)午前10時から午後3時まで大船渡市の市防災観光交流センターに展示される。