養鶏産業拡大へ新組織 チキンクラスター協設立総会 地域全体の収益性向上図る 住田

▲ 今後の活動計画などを確認した設立総会

 住田町内における養鶏産業の効率化や生産拡大などを見据えた住田町チキンクラスター協議会の設立総会は28日、町役場で開かれた。関係機関が一丸となって養鶏経営の収益性向上などを目的としており、種山での堆肥工場新設整備などを図る。この日は規約や今後の事業計画を確認し、連携充実と産業振興を誓い合った。
 協議会は町や新設企業に加え、㈱チキンファーム住田、㈲気仙環境保全、住田フーズ㈱ブロイラー生産部会、県大船渡農林振興センター、大船渡市農協、住田フーズ㈱など12機関で構成。この日は関係職員ら約20人が出席した。
 冒頭、神田謙一町長は「省力化や効率化が進み、地域全体の収益性向上を」とあいさつ。役員選出で会長に選ばれた気仙環境保全の松田静代表取締役は「耕畜連携を進めながら、各種課題解決を図っていきたい」と述べた。
 このあと、規約や畜産クラスター計画、事業計画と収支予算などを審議。いずれも原案通り承認、決定した。
 協議会では重点テーマに▽飼養規模の拡大、飼養管理の改善▽畜産環境問題への対応──などを掲げる。現状では生産者の高齢化や担い手不足、鶏糞処理施設の容量不足といった問題を掲げる。
 チキンファーム住田は高規格鶏舎で飼養管理改善技術などを実践し、その取り組みを波及させる。また、㈲気仙環境保全では、鶏糞搬出作業などを受託し、養鶏農家の負担を軽減するとともに、鶏糞堆肥の利用促進を働きかける。町は鶏糞堆肥を活用した飼料作物などの作付けを支援する。
 こうした取り組みを軌道に乗せ、町内養鶏産業の発展につなげる考え。町内飼養羽数は平成30年度で120万羽となっているが、令和6年度には151万羽にまで拡大させる。鶏糞適正処理量も平成30年度の1万292㌧から6年度には1万1107㌧にまで増やし、鶏糞処理手数料の10%減も目指す。
 こうした計画に基づき、気仙環境保全が中心となり、種山で堆肥化施設の整備に着手する方針。355万羽分の処理に対応し、鶏糞製造量約4200㌧の体制を目指す。令和3年度からの稼働を見据える。