「コロナ禍」の対応策探る オンラインサロンを初開設 けせん女志会(別写真あり)

▲ 気仙で活動する女性起業者らがオンラインで情報共有

 大船渡市の女性起業者等交流ネットワーク「けせん女志会」によるオンラインサロンは11日、初めて開設された。新型コロナウイルスの影響などを探ろうと、4月に実施したアンケートの結果を踏まえて企画したもので、市内の女性起業者らが参加。会議アプリを使い、参加者らは1人ずつ、コロナ禍で事業を続けていくための悩みや課題などを意見交換。新たな生活様式といった新型ウイルスによる社会の変化も見据えながら、今後の対応策を探った。

 

女性起業者らが意見交換

 

 けせん女志会は、志を同じくする起業者や会社の経営者、地域で頑張る女性たちが、気軽に楽しく交流しながらつながりを広げていこうと、平成29年に設立。研修や交流会、イベントなどに取り組んでいる。
 本年度も活動を予定していた中、国内外で新型ウイルスの感染が拡大。女志会では、気仙の女性起業者、経営者の中にも売り上げや経営に影響が生じてきているとして、4月下旬に緊急アンケートを実施した。
 アンケートには、気仙の女性起業者ら20人が回答。結果からは、売り上げへの影響や顧客・来客の減少、資金繰りなど、今後の経営に不安を抱く人が多く見られた。
 そこで、女志会有志の今野良子さん(キャリアパートナー)、江刺由紀子さん(NPO法人おはなしころりん)、及川由里子さん(ラグジュアリーネイル)、佐藤優子さん(㈱カメリア社中)が中心となり、女性起業者らがコミュニケーションを図る場となるオンラインサロンを開設することとした。
 この日は、自宅や職場などから有志を含む起業者10人と市産業政策室の職員2人が参加。及川さんが進行役を務めた。
 この日はアンケートの結果を報告後、参加者が1人ずつ近況を発表。「首都圏の取引先が営業を休んでいるため、3、4月の注文が受けられなかった」「作品販売の場となるイベントが軒並み中止になり、委託先も顧客が減ったために売り上げが下がった」「出店するイベントの中止で営業がほとんどできなかった」「人を集められず、軸となる交流活動の機会が減ってしまった」などと語った。
 一方で、こうした課題や今後の影響に備え、「こういうときこそインターネットやSNSを活用し、外とのつながりに注力したい」「委託販売先を拡大していきたい」「お客さんに安心してもらうためにも、いったん休業して感染症対策を徹底した。今後は対策も店選びの条件になる」などの具体的な対応策も。ホームページの開設やオンラインを活用した教室、新規事業を始めたという起業者も複数あった。
 参加者らの課題や対応策を受け、及川さんはコロナ禍における経営の危機対応に関する情報を提供。「顧客などが安心できるアプローチや、これまでの事業計画の見直しを考えてほしい」などと呼びかけた。市産業政策室からは、市や国の補助制度が紹介された。
 参加者らは「月に1回でもこうした話し合いの場を設けてもらい、みんなの考えを聞きたい」「オンライン女志会を続けてほしい」「帳簿の付け方などを専門家に聞く場を設けてもらいたい」などの声を寄せていた。
 女志会では今後も、オンラインサロンなどによる女性起業者のコミュニケーションの場を作っていくとしている。