陸前高田の観光資源発信 「コンテンツらぼ」が始動 市民有志が立ち上げる

▲ それぞれの分野で陸前高田を盛り上げる「たかたコンテンツらぼ」のメンバーら

 陸前高田市を愛する市民有志らと同市観光物産協会(金野靖彦会長)が市内の観光資源を発信しようと立ち上げたチーム「たかたコンテンツらぼ」が、本格始動した。自然や芸術、文化などさまざまな分野の〝趣味人〟たちが、表になかなか出てこない地元の楽しい場所や人にスポットを当て、陸前高田の魅力を広くアピールしていく。今後の動きに注目が集まる。

 

市観光物産協会を窓口に

 

 たかたコンテンツらぼは、陸前高田にもとからある魅力的なコンテンツを発掘、活用し、地域住民と同市への来訪者がともに喜び、楽しめる観光ツールや体験、交流の場を生み出すことが目的。
 チーム発足は、市の観光関係者らが知らない地元の〝宝〟を知る住民が数多く存在するものの、その環境を観光に生かし切れていない現状を受けてのもの。同協会と市内有志らの「陸前高田ファンを増やしたい」という思いが重なり、昨年から水面下で活動を始めていた。
 チームの活動は今年に入ってから広くPRしようとしていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で自粛。今月19日から県をまたいでの移動自粛が解除され、同市に人を呼び込める環境になったことから、本格的に活動の周知を始めた。
 メンバーは現在20人ほど。同協会を窓口に、趣味や関心事を同じくする地域住民がそれぞれ集まり、部単位でやりたいことを発案、実行している。
 このうち、「登山部」と「写真部」はこのほど、地元の東北百名山・氷上山の登山ガイドマップを企画・制作し、同協会が発行。A4判カラーの三つ折りリーフレットで、「玉山」「中央」「すずらん」各コースや所要時間、登山口までの道と駐車場、フォトスポットなどが見やくなるようレイアウトにこだわっている。
 また、山名の由来となっている「火の神」の伝承や、登山に適した服装、持ち物などの情報、季節ごとの見どころなども文章と写真で紹介。氷上山を知らない人や登山をしたことがない若者の関心を引くよう、随所に工夫がちりばめられている。
 登山部メンバーで、普段は横田町で農業を営んでいる松田俊一さん(35)は「氷上山は子どものころから登り、よく知っている山。気軽に歩ける山にも関わらず、案内看板が少なかったり、地元外の人に山の情報が届きにくいことから、登山愛好者が増えてほしいという思いもあってマップを作ることにした」と語る。
 このほか、たかたコンテンツらぼのロゴマークは「デザイン部」のメンバーが制作。箱根山や広田湾の資源を生かした観光コンテンツ発信について考えている部もあり、チーム内の横の連携も生かしながら活動を進める。インターネットでは、SNSを活用した情報発信も行っていく。
 松田さんは「陸前高田では、趣味の同じ人同士が出会える機会が少ないと感じていた。それぞれが自由に楽しむことで新しい〝遊び場〟が増えていくと思う」とチームの発展に期待する。
 同協会の西條まい子事務局次長(45)は「観光コンテンツだけではなく、市民が好きなことを共有し、好きに遊ぶこと自体も地元の魅力になる。部は1人からでもつくることができるので、たくさんの人に参加してもらいたい。陸前高田をみんなで盛り上げていきましょう」と呼びかけている。
 問い合わせは同協会(℡54・5011)へ。