清流に銀鱗きらめく 梅雨空の下に愛好者約700人 気仙川でアユ釣り解禁(別写真あり)

▲ 気仙川で多くの愛好者たちがアユ釣りを楽しんだ

 陸前高田市と住田町を流れる気仙川で1日、アユ釣りが解禁となった。この日はあいにくの雨模様となったが、解禁を待ち望んでいた釣り人たちが竿を伸ばし、当たりの感触を楽しんだ。梅雨空の下で、清流・初夏の気仙川が活気に包まれ、川面に銀鱗がきらめいた。大船渡市を流れる盛川は、5日(日)午前4時解禁となる。

 

盛川は5日から

 

 「アユの宝庫」として知られ、毎年7月1日の解禁日には内陸部からも多数の愛好者が訪れる気仙川。今年も薄暗い午前4時の解禁前から、川沿いには県外ナンバーを含む車両が並んだ。
 解禁時刻を迎えると、釣り人たちはあらかじめ狙いをつけていたポイントへと足を運び、釣り糸を垂らして当たりを待った。
 気仙川漁協によると、今年は解禁前から遡上(そじょう)が多いという情報もあったことから、初日は昨年を大幅に上回る約700人が訪れた。釣果も上々で、各地で「型がいい」という声も聞かれたという。
 アユ釣り歴40年ほどになるというベテラン・佐々木義郎さん(82)=住田町世田米=は、昭和橋のたもとで釣り糸を垂らした。解禁間もない午前6時30分の時点ですでに10匹ほどを釣り上げており、「型もいいね」と笑顔。例年は解禁期間中に170〜180匹ほどを釣り上げていたが、昨年は70匹にとどまったといい「今年は少なくとも150匹は釣りたいね。これから水量が増えてくればもっと釣れるようになるのでは」と話していた。
 20年前から、東日本大震災が発生した平成23年をのぞいて毎年解禁日に訪れているという盛岡市の小綿一夫さん(66)と妻・光子さん(64)。毎回泊まりがけで住田町に訪れており、アユ釣りの〝常連〟や町民とも顔なじみだ。
 一夫さんは、「気仙川は水もきれいでアユもおいしい。今年は天然物もかなり来ているという話も聞いている。去年の解禁日は20匹ほど釣ったが、今年はそれを上回ることができれば」と、夫婦で釣りを楽しんだ。
 気仙川にかかる世田米の昭和橋は架け替え工事を控えており、アユ漁解禁期間終了後の秋以降に仮橋設置工事に着手する。仮橋設置後には現橋が解体となるため、アユ釣りでにぎわう気仙川と現橋の共演は今年で最後となりそうだ。