旧校舎で自由に意見交換 住民ワークショップ再開 「日頃市の未来を語る会」(別写真あり)

▲ 自由な発想で地域活性化策のアイデアを出し合った「語る会」

 大船渡市の日頃市地区公民館(山下通館長)による第3回「日頃市の未来を語る会」は3日夜、日頃市町の旧日頃市中学校校舎で開かれた。新型コロナウイルスの影響で住民が集まる場を見合わせてきたため、5カ月ぶりの開催。3月末での閉校後初めて校舎が住民活動に利用され、参加者は積極的に意見を交換しながら、地域活性化につながるヒントを探った。

 

5カ月ぶりに開催

 

 語る会は、人口減少や少子高齢化が見込まれる中、安心して住み続ける地域づくりのきっかけとして、現状や旧日頃市中学校の活用方策を含めた将来展望を語り合い、取り組むべき行動をまとめようと設置。市も地区単位の「地域づくり住民ワークショップ」の実施を推進しており、日頃市を先行地区に位置づけている。
 今年1月から始まり、2月に第2回を開催して以降、新型ウイルス感染防止のため当初3月に予定していた3回目の開催を延期。地域活動の自粛が続く間に、日頃市中は閉校となった。
 第2回までは地区公民館で開催していたが、今回は同校舎を会場に選んだ。閉校後、初めて住民活動の場として利用された。
 住民ら約20人が参加。特定非営利活動法人いわて地域づくり支援センター(紫波町)の若菜千穂常務理事が進行役を務め、前回までの振り返りを行ったあと、1月に実施した住民アンケート結果を確認した。
 アンケートは、15歳以上の住民約1600人を対象としており、1月20日〜今月3日に実施。対象者の76%に当たる1212人から回答を得た。
 現在の活動や今後必要と考えられる活動について、「重要か」「満足しているか」をそれぞれ回答。これにより「重要度は高いが満足度は低く、優先的に取り組む必要がある分野」として、病院や買い物、上下水道、有害鳥獣駆除、通勤や通学、高齢者支援などが浮かび上がった。
 10代〜50代は、中学校跡地の活用も重要視している傾向が明らかに。活用方法では高齢者向けの施設や企業への貸し出し、気軽に集まる場、産直、カフェ、外部人材誘致など、幅広い視点からのアイデアが集まった。
 引き続き3グループに分かれ、「日頃市を面白がる」をテーマにワークショップを開催。やってみたいことなどを披露し合いながら、地域活性化への意識を高め合った。農作物被害で悩まされるシカを生かした企画や、これまで地区内で開催したことがないイベント案も飛び出し、盛り上がりをみせた。
 5カ月ぶりの意見交換について、若菜常務理事は「期間も空き、当初考えていた形式とは少し変えている。人と会って楽しいと実感できる機会を増やしていくことが、大切ではないか」と話す。
 次回は7月下旬に開催し、浮かび上がったアイデアを実際の行動にできるかなどの練り上げを行う方針。8月下旬の最終回では「どのように実現できるか」の話し合いを予定している。
 山下館長は「みんなで集まり、話をすることが一番。その機会を早く持ちたいと考えていた。中学校での公民館行事や住民活動も増やしながら、よりよい形を考えていきたい」と語り、今後を見据える。