新サンマ船勇ましく 「第三 三笠丸」披露式典 鎌田水産所有(別写真あり)

▲ 多くの福来旗をなびかせて大船渡湾を航行する「第三 三笠丸」

 大船渡市赤崎町の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)の大型サンマ船「第三 三笠(みかさ)丸」(199㌧)が完成し、披露式典が10日、大船渡湾内などで行われた。東日本大震災後に建造された同社所有の大型サンマ船5隻とともに、湾内を航行。関係者は完成を喜ぶとともに、今季の豊漁への期待を込めた。
 第三 三笠丸は早朝、蛸ノ浦漁港から大船渡市魚市場に向かい、接岸後は、関係者総出で135枚にも及ぶ福来旗の飾り付けが行われた。魚市場を出発後は、尾崎神社周辺の外洋や大船渡湾内を航行。同社が所有する他の「三笠丸」5隻も連なり、サンマ船団の勇姿をひと目見ようと、同魚市場だけでなく大船渡町内の国道沿いなどでも見物客が見られた。
 蛸ノ浦漁港では完成披露式典が開かれ、乗組員、同社社員、地域住民など合わせて約500人が訪れた。同社の鎌田和昭会長は「今年のサンマ漁は、昨年よりは良くなるだろうと期待している。大船渡のみんなが手を取り合い、がんばっていきたい」と述べた。
 このあと、戸田公明市長や鈴木俊一衆議院議員らが祝辞。万歳三唱後には、新サンマ船完成の祝福とサンマ漁の豊漁を願い、3188個の「もちまき」が行われた。
 第三 三笠丸は、昨年10月から宮城県気仙沼市内で建造が行われた。全長48㍍、幅7・5㍍で、省人化や高性能ソナーを備えるなど、高機能化が図られた。事業費は約9億円。
 これまで操業していた中古船1隻が役目を終え、同社としては震災後に新造した199㌧の大型サンマ船6隻で操業できる体制が整った。水産加工会社1社が大型船6隻を所有するのは、国内でも例がない。サンマの水揚げ量本州1位を誇る大船渡への水揚げ量増加にも期待がかかる。
 同社のサンマ船団は、17日(月)に大船渡を出港する計画。漁模様には流動的要素が多いが、現段階では今月内の初水揚げを目指す。