「うごく七夕」雰囲気味わって アバッセで映像上映中

▲ アバッセで上映中のうごく七夕の映像。ミニ山車も関心を集めている

上野樹里さんら製作の山車も

 

 陸前高田市高田町の商業施設「アバッセたかた」専門店街では、同町の夏の伝統行事「うごく七夕」の過去の映像を上映している。新型コロナウイルスの影響で7日の七夕が中止となったことを受け、市民や帰省者らに祭りの雰囲気を味わってもらおうとのもの。併せて、テレビドラマのロケなどのため同市を訪れた人気女優・上野樹里さんら製作のミニ山車も展示され、関心が集まっている。
 映像は、同町の㈱高田シャープ電化センターが提供。アバッセ専門店街パブリックスペースそばで6日から上映している。
 東日本大震災前年の平成22年と29年の映像を日替わりで交互に流している。来店者は足を止めて鑑賞し、かつてのまちなかを華やかな山車が運行する様子や復興に向けて活気にあふれる祭りの雰囲気を感じ取っている。
 ミニ山車は、今秋から2クール連続で放送される予定のフジテレビ系ドラマ『監察医 朝顔』(第2シーズン)に主演する上野さんをはじめ、出演者やスタッフが製作したもの。
 上野さんは平成24年、初めて同市を訪問。認定NPO法人・桜ライン311によるサクラの植樹活動に参加した。
 昨年には、震災を題材に盛り込む同ドラマ(第1シーズン)の役作りやロケで、同市を再び訪問。同市議会の福田利喜議長の案内で遺体安置所となった場所などを視察したほか、震災遺族の体験談を聞いた。今年3月にも再訪した。
 ミニ山車は横約30㌢、奥行き約50㌢、高さ約60㌢。「来年はたくさんの笑顔の中、七夕祭りがおこなわれますように」との願いを込め、市民に見てもらう場所に飾ってほしいと、福田議長のもとに届き、まずはアバッセで展示することとなった。
 福田議長は「震災から10年近くが経過する中、思いを寄せてくれてありがたいの一言」と感激。9月以降は市内いずれかの場所での常設を検討している。
 アバッセ専門店街を運営する高田松原商業開発協同組合の伊東孝理事長は「七夕が中止となる異例の年となった。一人でも多くの人に地元の祭りの魅力を味わってほしい」と期待を込める。映像の上映、ミニ山車の展示は今月末までを予定している。