防集団地 被災者以外にも分譲へ 高田、今泉の高台計23宅地 10月12日から募集開始 陸前高田市

▲ 10月12日から被災者以外にも分譲する高台の防集団地

 陸前高田市は、25日の市議会全員協議会で、東日本大震災の津波で自宅を失った被災者向けに整備した防災集団移転促進(防集)事業による住宅団地の空き区画を、被災の有無を問わず市内外の住民に分譲する計画を示した。分譲する宅地は高田、今泉両地区の高台計23区画。これまで防集事業の対象者向けに随時公募してきたが、埋まらない状態が続いていた。10月12日(月)から1カ月間募集する。すでに大船渡市では防集団地で被災者以外の移転も受け付けており、気仙両市で一般も含む公募に切り替わることとなる。


空き区画解消に期待

 

 防集事業の対象者以外も移転可能となるのは、高田地区の高台3、高台5、高台6の計6区画と、今泉地区の高台5、高台6、高台7の計17区画。
 1区画当たりの広さは、高田・高台3の3区画と今泉・高台5の3区画が165平方㍍、残る両地区の17区画が330平方㍍。
 対象者は①市内の防集事業対象者②市内で被災し、罹災証明の交付を受けている人③市内に住む人④市外に住む人──。同じ区画に複数の申し込みがあった場合は、①の対象者から順に優先して決める。優先区分が同じ場合は、抽選を行うこととしている。
 防集は、被災者に安全な高台への集団移転を促すための国の補助事業。自治体は、被災した自宅跡地の土地を買い取り、移転先の宅地造成も行う。
 陸前高田市は、30団地の計490区画を整備し、移転は平成25年度から順次進んだ。現在、462区画の宅地を引き渡し、空き区画は高田、今泉両地区を除いて気仙町、小友町、広田町、米崎町の5団地5区画となっている。
 津波で特に大きな被害を受けた高田、今泉両地区は、29年度から高台移転がスタート。それまでの間に住宅再建を断念し、災害公営住宅への入居などを選ぶ被災者もいたことから、他団地よりも空き区画が目立つ。
 市は、両地区の空き区画を解消しようと随時移転希望者を募ってきたが、申し込みがない状況が続いていた。被災者以外の問い合わせもあったことから、門戸を広げることにした。
 大船渡市では今年1月から、防集団地への移転申し込みを一般も含めて受け付けている。
 陸前高田市復興推進課の佐々木学課長は「防集事業対象者ではない被災者の住宅再建の後押しにもつながれば。さらに市内外から一般公募することで交流人口の拡大にも資すると考えている」と話す。
 募集期間は10月12日~11月13日(金)で、分譲価格は近く市ホームページで公表する。市内の別の空き区画5区画についても、本年度中に対象を拡大する方向で検討している。
 問い合わせ、申し込みは同課(℡54・2111内線462)へ。