県立野外活動センター(仮)の建設現場を間近に 陸前高田の公共施設整備見学 水沢工高2年生(別写真あり)

▲ 水沢工業高校の生徒らが県立野外活動センターの建設現場を見学

 奥州市水沢の県立水沢工業高校(佐々木光男校長、生徒457人)のインテリア科2年生39人は29日、陸前高田市内の公共施設整備現場2カ所を見学した。このうち、広田町では東日本大震災で被災した旧県立高田松原野外活動センターの災害復旧事業として移転新築が進む県立野外活動センター(仮)の建設現場を間近にし、整備内容などに理解を深めた。
 同校では、一般社団法人県建設業協会の協力を受け、毎年3年生が県内の公共施設整備を見学。本年度は新型コロナウイルスの影響や3年生の就職活動時期などを踏まえ、2年生を対象に行った。
 この日、生徒らは野外活動センターと高田町で実施中の陸前高田市役所庁舎建築工事の2カ所を見学。このうち、同センターでは県をはじめ、建物の建設工事を担う㈱佐武建設・菱和建設㈱JV、設計監理を務める㈱久慈設計の担当者らが案内した。
 同センターは、被災した旧県立高田松原野外活動センターの災害復旧事業として、震災前の気仙町から広田町大久保地内に移転新築するもの。敷地面積は約9万6000平方㍍で、鉄筋コンクリート造2階建ての管理・宿泊棟(延床面積3896・39平方㍍)、木造平屋建ての体育館(同1206・80平方㍍)、テニスコート8面、運動広場、キャンプ場、駐車場を設ける。
 生徒たちは、センターの概要説明を受けた後、建設中の体育館と管理・宿泊棟を見学。佐武・菱和JVによると、昨年10月26日に始まった施設整備は躯体(くたい)工事を終え、天井や壁といった内部の仕上げ作業を行っている最中といい、工期の来年1月17日に向けて順調に進んでいるという。
 見学では食堂や工作室、宿泊室などを巡り、建物に県産スギ材を豊富に使用していることや、さまざまな技術を持った職人たちの手で施設が造られていることなどを理解。広田湾が一望できる2階のテラスからは、屋外体育施設の造成工事の様子も確認し、生徒たちからは完成に期待を寄せる声も聞かれた。
 貴重な建設の現場に入り、工事の様子や職人らの仕事に興味津々で見入った生徒たち。これまでの学びを生かしながら質問も行い、建設業への関心も深めていた。
 中村烈君(16)は「建設途中の公共施設を見る機会はあまりなく、見学内容には今まで学んだことも含まれていたのでいい経験ができた。いろんな意味でいい1日になった。センターが完成したらぜひまた来たい」と話し、充実した表情を見せていた。
 同センターは、屋外体育施設が来年5月、管理・宿泊棟などの開所は同7月を予定している。