町産素材の魅力発信へ 町観光協会が3種の野菜ソース開発 200セットを限定販売

▲ 町産野菜を使った3種のソース

 住田町観光協会(佐々木慶逸会長)は、シイタケなど町内産の野菜を使用した3種のソース「種山ヶ原〝三ツ星〟物語」を開発した。現在、道の駅種山ヶ原ぽらんで限定200セット(容量各160㌘〜170㌘、税込み2500円)を販売中。来年度は新たな素材を使ったソースの開発も検討しており、関係者は商品を通じた住田産素材の魅力発信へと意欲をみせている。

 

 この野菜ソースの開発は、昨年度スタートした県の新たな県民計画長期ビジョンの中に盛り込まれている「三陸防災復興ゾーンプロジェクト」の一環として、同協会が町からの委託を受けて実施。
 同プロジェクトは、復興過程で進展したまちづくりや交通ネットワーク、港湾機能などを生かして地域産業の振興を図り、三陸地域の多様な魅力を発信して国内外との交流を活発化させることで持続的に発展するゾーンの創造を目指すもの。
 この中で、三陸の豊かな食材や食文化を活用したフードツーリズムの推進など、世界に誇れる食のまちの形成に向けた取り組みの推進も掲げられている。
 ソースの開発は、平成28年秋から2年間、同町のまち家世田米駅内のレストラン「すみたのだいどころ kerasse」で腕を振るい、現在は東京都内のワイン食堂「kerasse Tokyo」でシェフを務める坂東誠さんが監修。原材料は、ぽらんを運営する同町の住田観光開発㈱(松田栄代表取締役)が提供した。
 今年5月以降、坂東さんと住田側の関係者が約20回におよぶワークショップをオンラインで展開。さまざまな野菜で試作を重ねる中、安定供給しやすいというシイタケ、ワラビ、ニンニクそれぞれのソースを開発した。
 3種のソースのうち、「Shiitake─Nade」(しいたけナード)はシイタケと気仙みそのオリーブペースト、「W─Arrabiata」(ワラビアータ)はワラビのピリ辛トマトソース、「Papri─Garlic」(ぱぷりガーリック)はにんにくとパプリカのスペイン風ディップに仕上がっている。
 「旬野菜」「安心」「調味料」の三つのこだわりを〝星〟として「三ツ星物語」と命名。商品には、各ソースを使った料理のレシピも同封されている。
 本年度は「テスト段階」として来年3月末までセット販売するが、来年度以降はばら売りや新たな野菜を使ったソースの開発も検討している。
 町観光協会の佐々木康行局長補佐(44)は「住田町の素材と人柄にほれ込んだ坂東シェフに監修を務めていただいた。住田の良さを詰め込んであるので、ぜひ味わっていただきたい」と話している。